715個の系外惑星が一気に確定

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【2014年2月27日 NASA

NASAの衛星「ケプラー」の観測データから715個の系外惑星が新たに確定された。地球に近いサイズの惑星を複数持つ、太陽系に似た惑星系の姿が多数明らかにされている。


複数の惑星を持つ惑星系

「ケプラー」ミッションでは、惑星が恒星の手前を横切る時のわずかな減光から惑星の存在を知る。クリックで拡大(提供:NASA)

惑星のサイズごとの分布グラフ

惑星のサイズごとの分布グラフ。今回の確定分で、地球に近いサイズのものがぐっと増加している。クリックで拡大(提供:NASA Ames/W Stenzel)

系外惑星発見数の推移

これまで発見・確定された系外惑星数の推移。今回の確定分で一気に増えた。クリックで拡大(提供:NASA Ames/SETI/J Rowe)

NASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」が2009年5月から2011年3月にかけて行った初期観測のデータから、715個の惑星が確認された。

これらの惑星は、305個の恒星から見つかったものだ。NASAのJack Lissauerさんらは複数の惑星候補を持つ恒星、つまり複数の天体が手前を通過しているような減光が観測されている恒星を対象に調査を行った。こうした減光が惑星ではなく連星によるものの場合、重力による相互作用が強く働くため軌道が安定せず、規則的な減光は見られないはずと考えられる。したがって複数の惑星を持つ系に違いない、という推論をもとにした研究で、一度に多くの惑星の存在を確認した。

今回の確定分では、サイズが地球に近い小型の惑星がぐっと増えている(画像2枚目)。95%が地球の4倍以下のサイズで、そのうち4つはハビタブルゾーン(恒星からの距離が、液体の水が存在できる範囲)内に位置する地球の2.5倍以下の大きさのものだ。

さらに、新しく確認された惑星系では、私たちの太陽系と同じようにほぼ同一の軌道面上の円形の軌道を惑星が回っていることもわかった。

確定した系外惑星の数はこれで1700個にせまった。また、ケプラーが発見した3600個の系外惑星候補のうち961個が確定したことになる。

姿勢制御機構の故障により本来の観測ミッションは終了したケプラーだが、太陽光圧を利用した姿勢制御による新しいミッションが検討されており、今年5月までに決定がなされる見込みだ。


ステラナビゲータで系外惑星の位置を表示

天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」では、1100個以上の「惑星の存在が確認された恒星」を追加天体として「コンテンツ・ライブラリ」で公開しており、系外惑星が発見された恒星を星図に表示できます。ステラナビゲータをご利用の方は、ステラナビゲータの「コンテンツ」メニュー→「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードしてください。