2つの太陽をもつ惑星は、元の場所から動いてきた

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【2014年2月4日 ブリストル大学

映画「スター・ウォーズ」シリーズに登場するタトゥーイン星のように、2つの太陽を持つ惑星はどのようにして形成されたのだろうか。シミュレーション研究により、こうした周連星惑星は連星からもっと離れた場所で形成され、移動してきたらしいことがわかった。


2つの“太陽”を持つ周連星惑星

2つの“太陽”を持つ周連星惑星(提供:David A. Aguilar, Harvard-Smithsonian Centre for Astrophysics)

2つの恒星がペアを成す連星の周囲を公転する「周連星惑星」は2011年に初めて見つかったばかりで、まだその発見例は少ない。理論のうえでも、連星周囲の重力環境では惑星の材料となる岩石の小天体がぶつかりあい粉々になってしまうので、惑星形成が難しいとされる。

英・ブリストル大学物理学科のZoë Leinhardtさんらによる最新のコンピュータシミュレーション研究でも、同様の結果が出た。2012年に発見されたケプラー34b()をサンプルに、およそ100万個の小天体の衝突過程を精密にシミュレーションしたところ、ケプラー34bの現在の軌道で惑星まで大きく成長するのはやはり難しいことがわかった。つまり、ケプラー34bは中心の連星からもっと離れた場所で形成され、その後今ある場所に移動してきたとするほうが妥当だということである。

この研究結果からすると、これまでに見つかっている周連星惑星のほとんどが形成時の位置からかなり動いて今の位置にやってきたと考えられるという。

注:ケプラー34b はくちょう座の方向およそ5000光年彼方にある。28日周期の連星の周囲を約289日周期で公転する。中心の連星からは太陽〜地球と同程度の距離。