日本主導の雷放電観測、ISSでの成果トップ3に
【2014年6月23日 NASA】
毎年度選出される「国際宇宙ステーションの微小重力環境を利用した研究成果トップ3」に、日本の大学を中心としたチームによる雷放電現象の観測研究が選ばれた。
6月中旬に行われた国際宇宙ステーション(ISS)研究開発会議(米・イリノイ州)で、「ISSの微小重力環境を利用した研究成果トップ3」(注)が発表され、日本の大学などを中心とした「JEM-GLIMS」ミッションによる観測研究成果が選ばれた。
JEM-GLIMSミッションは、高度約10km以下の対流圏で発生する雷放電や、雷放電にともない高度約20〜90kmで発生する発光現象(スプライトなど)をISSの「きぼう」日本実験棟に取り付けたセンサーで観測するものだ。これらの現象を真上から高精度観測することに世界で初めて成功した。
研究チームの佐藤光輝さん(北海道大学)は、「2011年の大震災で開発計画に大きな支障をきたしたときには、今日のような成功が得られるとは思ってもみませんでした。強い意志とチームワーク、そしてJAXAのサポートがあって乗り切ることができたのです。今回の受賞は自信となり、新たな成果を目指す励みとなります」(抜粋)とコメントしている。
同賞にはこのほか、米・大学の応用物理研究やNASAの材料曝露実験が選ばれている。
注:「ISSの微小重力環境を利用した研究成果トップ3」 毎年開催される同会議において、ISSを利用した研究に与えられる4つの部門賞の1つ。