「ステライメージ9」では、フラット画像を撮影していないくても処理中の画像自身からフラットフレームを作成し補正を行う機能「セルフフラット補正」を搭載しました。 光学系の周辺減光や迷光、センサー上のゴミなどによって発生する光ムラを取り除きます。
図1は東京の渋谷で撮影したM27(こぎつね座のあれい状星雲)です。 元の画像には背景に赤みがかったムラや周辺減光、まばらにポツポツとゴミの影が認められます。 このまま、さらに強調処理を施すと光ムラが目立ち作品づくりの妨げとなってしまいます。 図2も同様に、周辺が赤く光カブりを起こしており、後の画像処理に大きく影響を与えます。
図1:周辺減光、ゴミの影が目立つ画像(M27)
図2:周辺が赤くカブりを起こしている画像(IC434付近)
「ステライメージ9」で対象の画像を読み込み、「ツール」メニューから「セルフフラット補正」を開きます。
ヒストグラムの「最大値」スライダーを使用して、星雲と背景の境界付近のレベル値を指定します。 これにより、背景のムラを抽出し星雲のピクセル情報を残したままフラットフレームの生成・補正処理が行われます。
「半径」スライダーを調整することで、星やゴミの影の大きさに応じてフラットフレーム生成時の背景の滑らかさを変化させることができます。
また、同機能は 画像調整パネル からもご使用いただけます。
「セルフフラット補正」そのものは従来から知られている手法です。 撮影画像自身から撮影ムラの情報を引き出してフラットフレームを作成し、フラット補正をするというテクニックです。 空の状態からくるムラやチップ上のゴミなども補正可能で、フラット画像を撮影していない過去の画像も補正できるのがポイントです。
「ステライメージ9」の本機能は、これまで手動で行っていた次の手順を自動化したものです。
一部、極端に明暗差の大きい画像など、その特性によって「セルフフラット補正」が適合しない画像がございます。 ぜひ1度、事前に試用版(発売日に公開予定)でお試しください。
手動の「セルフフラット補正」については、コチラ をご参照ください。