ステライメージについて

ステライメージとは

ステライメージは、天体写真のために特別に設計・開発された画像処理ソフトウェアです。 一般の画像処理ソフトウェアとは一線を画すステライメージならではの強みについてご紹介します。

なぜ、ステライメージなのか

96ビットスーパーカラー処理

一般的な画像処理ソフトでは、色情報を24bitのデータ(一色あたり8bit)で扱います。これは、赤緑青の各色がそれぞれ256階調のデータとして扱われている(※1)という意味です。

様々な画像処理により画像に変化を加えた場合も、処理結果をそれぞれ256階調の中に収めていくため、処理を重ねる度に貴重な情報が誤差として僅かずつ失われます。

特に天体画像のように、淡く階調の近い情報を扱う場合、この損失が大きな意味を持ってきます。

ステライメージは色情報を各色32bit、合計96bitのデータで扱います。各色が取りうる階調は4,294,967,296(約43億)階調。繊細な天体画像を極力損失なく扱う、ステライメージの真骨頂です。

※1 ... RAWデータなどでは12bitや14bitの階調で記録しているものもあります。

RAWデータでのダーク・フラット処理

デジタルカメラで撮影されるセンサーそのままのデータ(RAW画像)は、実際には明るさを記録したものです。カラー化(RAW現像)は、センサー上のカラーフィルタの配列(ベイヤー配列など)を元に複雑な計算過程を経て行われます。

センサー上で発生するノイズなどは、カラー化される前の一つ一つのデータに記録されています。カラー化を行ってしまうと、ノイズデータがカラー化計算時に色情報の中に入り込んでしまい、分離することが困難になります。

ステライメージのRAW読み込み機能は、RAW画像をそのままの状態で読み込むことができます。これにより、ノイズのデータが色情報の内側に埋もれる前に手を加えることができるのです。

ステライメージなら、カラー化される前のわずか一画素分のデータも無駄にせず、センサーの能力全てを使い切ることができます。

天体写真に特化した機能

天体写真は、暗い背景と鋭いピークを持つ星、近い階調で表現される淡い星雲と言った極端な情報を持つデータです。一般の写真とは性質が大きく異なっているため、特殊な画像処理が必要になります。

ステライメージでは、星雲などの淡い部分に影響を与えず星だけをシャープにする「スターシャープ」やバックグラウンド部分のノイズを軽減する「バックグラウンドスムース」、アクロマートレンズで発生する青ハロなどを除去する「青ハロ・偽色除去」、ガイドエラーで歪んだ星像を修正する「ガイドエラー補正」など、天体写真に特化した特殊なフィルタや機能を搭載しています。

  • カラーバランスを自動調整する「オートストレッチ」
  • 星雲などに影響せず星だけをシャープにする「スターシャープ」
  • 星雲などの細かいディティールを強調する「マルチバンドシャープ」
  • ハイライトを圧縮し高いダイナミックレンジを実現する「デジタル現像」
  • アクロマートレンズでの撮像時に現れる青ハロ等を除去する「青ハロ・偽色除去」
  • ガイドエラーで潰れた星像を修復する「ガイドエラー補正」
  • 標準星の等級から対象の星の光度を計算する「光度測定」
  • 撮影時刻順に画像を表示して天体の動きを確認する「ブリンクコンパレータ」
  • 画像の階調を2次元または3次元のグラフとして表示する「2D・3Dグラフ表示」
  • 処理手順を記録・再生する「ワークフロー」