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星ナビ機材セレクション

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星ナビ 2005年12月号

レポート/川村 晶(星ナビフォトライター)

2005年12月21日

自動導入の快感を味わえるフルスペック赤道儀

外観は一般的だが機能はたくさん

外観はごく一般的なスタイルのドイツ式赤道儀である。ライトグリーン系の塗装色で、赤道儀のサイズとしては、ビクセンGP系やタカハシEM−10/11系、ミードLXD−55/75系よりもやや大柄な印象である。

電子系は機能面で必須と思われるものはほぼすべて実装され、フルスペックと呼べる充実ぶりだ。ハードウェア的には、外部のパソコンからの制御に必要なRS−232CポートやSBIG社のST−4互換のオートガイダーポートを装備。ソフトウェア的には、天体自動導入機能はもちろん、ピリオディックモーション補正機能(PEC)も搭載している。

また、駆動用にステッピングモーターを搭載していて、広いレンジの回転数を得られるマイクロステップ駆動を実現していることも大きな特長である。ステッピングモーターは、両軸ともに赤緯体の内部に収められている。高速駆動は対恒星時800倍で、SE200N鏡筒を搭載した状態での実測でも対恒星時810倍ほどだった。これは極軸を一回転させるのに1分45秒ほどの速度だ。したがって、天球上のどの位置の天体へ移動させても、導入待ちでイライラすることはないだろう。

ちなみに、コントローラーの手動操作での速度は9段階切り替えが可能。手動の微動ハンドルこそないが、両軸ともにクランプがある。自動導入機能を使わなくても、クランプをゆるめて手動で見たい天体に鏡筒を向け、コントローラーを使ってモーターで微動させることも可能だ。この場合、追尾速度はSiderealRate(恒星時)に設定しておく。

内部ギア

赤緯体のカバーを取り外すと内部のギアが見え、メンテナンスしやすくなっている。試用した実機ではいわゆるギア鳴りもそれなりに大きかったが、ギアのアタリを調整することで軽減できる可能性はある。

赤緯軸と横穴

赤緯体の中を赤緯軸が貫通しており、極軸望遠鏡の視野を確保するには赤緯軸に開いている横穴を北に向ける。極軸望遠鏡のパターンを照らす赤いLEDの明視野照明があるが、明るさは変えられない。


ケーブルコネクタとスイッチ ピリオディックモーション

赤緯体の鏡筒取り付け側に電源、コントローラー、オートガイダーのケーブルコネクタや電源スイッチがまとめられている。直焦点撮影時の追尾精度として気になるピリオディックモーションは、試用機で実測した結果、このクラスの赤道儀としてはやや大きい±24秒角ほどであった(右写真)が、モーションを学習させ電気的に駆動を補正するPEC機能があり対策可能だ。残念ながら今回は天候の関係でPEC使用時の追尾精度のチェックはできなかった。


コントローラーは、ESC、SETUP、ENTERの3つのモードキーと上下矢印マークのスクロールキーを使ってメニューをたどる方式で、多くの自動導入機と同等な操作感だ。メニューの階層、機能の選択方法、アライメントの手順なども理解しやすく、キーの割り当ても含めて全体的な構成はよく練られているという印象だ。表示器は、16文字×2行の液晶で、赤いバックライトに黒い文字の仕様である。コントローラーのキーも内部から赤く照明されるので、暗闇での視認性は良い。

残念なのは、表示がすべて英語である点だ。ケンコーによれば、現在のところ日本語化の予定はないという。ただし、ファームウェアのアップデートなどを提供していく可能性はあるそうで、バグフィクスや機能追加など、将来的なアップグレードに期待したい。

コントローラー中枢
表示パネル
接続部

コントローラーはマイクロチップテクノロジー社のPICマイコンがその中枢だ。表示は赤色バックライトで見やすい。コントローラー底部には、赤道儀の接続ケーブルやRS−232Cケーブルのコネクタが装備される。パソコンからの制御は、SUPER STARIVやステラナビゲータ7などのソフトウェアがすでに対応している。