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星ナビ機材セレクション

「スコープテック・ラプトル50」

星ナビ 2008年2月号

レポート/川村 晶+星ナビ編集部

2008年3月28日

架台部分

煩わしさを感じさせないフリーストップ架台

鏡筒前後のバランスが取れていて、なめらかに回転するのであれば、ラプトルのような初心者用望遠鏡架台には微動装置の必要性は感じない。むしろ動かしたい方向に直感的に「ぐいっ」と動かせるフリークランプの手軽さは、クランプやハンドル操作を強いられる架台と比較して、煩わしさを感じさせないメリットがある。回転のなめらかさは、水平軸は軸そのものをうちわネジで押し、垂直軸は軸そのものに切られたネジを蝶ナットで締め付けることで調整できる。鏡筒は架台に直接ねじ留めされて前後のバランスの微調整はできないが、鏡筒そのもののが軽量なので上下軸のフリクション調整だけでじゅうぶんにフリーストップを実現可能だ。

アイピース

倍率の変化を楽しめるアイピース3本

ラプトルには3本のツァイスサイズアイピースと天頂ミラーが付属する。アイピースの外観がまったく不揃いなのはご愛敬。コストの関係で天頂プリズムは無理でも、天頂ミラーが付属しているのはうれしい。販売価格を考えると、本当に見えるのか不安になるが、口径50mmの屈折望遠鏡で観察可能な天体と価格を考えれば、納得できる見え方だ。白い鏡筒は素材の色そのままで、内部にツヤ消しの黒塗装を施し、遮光板も2枚装着されているので、コントラストもじゅうぶんである。アイピースは、K20mmで30倍。月の全景やすばる、M42などを眺めるのにちょうどよい。少し倍率を上げてみたくなったらF12.5mmの48倍で楽しめる。惑星や二重星、月のクレーターをさらにアップで見るには、高倍率の75倍が得られるF8mmを使えばよい。土星の輪の存在もしっかりわかる。アイピースはいずれも見かけ視界が狭い(特にF12.5mmはF8mmと実視界がほとんど変わらないほどだ)のだが、コストを考えると致し方あるまい。

現在の「ラプトル 50」

現在の「ラプトル 50」は架台が木製から金属パイプ製に仕様。開き止めがついて脚部の剛性がアップした。鏡筒部の仕様、付属品は従来のまま。価格7,980円(税込)

現在の「ラプトル 50」付属品

スコープテック・ラプトル50 の主な仕様
対物レンズ 高精度アクロマート
口径 50mm 焦点距離/600mm
口径比 1:12
鏡筒材質 ABS樹脂
ファインダー 簡易型照準式ファインダー
アイピース K20mm(30倍)、F12.5mm(48倍)、F8mm(75倍)
すべて24.5mm径ツァイスサイズ
架台 簡易型経緯台(微動装置なし)
三脚 金属三脚(組み立て式)
付属品 天頂ミラー、組み立て・取扱説明書
三脚 ステンレス製三脚

※記事掲載時以降、仕様が変更になっています。詳しくは販売ページでご確認ください。

問い合わせ 株式会社 スターライト・コーポレーション
TEL 0800-600-5759