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宵の明星・金星

金星を観察しよう

金星を眺めるには

金星の「天体グラフ」

ステラナビゲータ Ver.8の機能「天体グラフ」。日没時点での金星の地平高度、明るさ(等級)、太陽からの距離(離角)が時間とともに変化するようすが一目でわかる(クリックで拡大)

2007年4月現在、金星は日が沈んだあとの空で、西の方およそ30度の高さで輝いています。金星が沈むのは9時すぎで、それまでは(西の方向が開けた場所なら)楽に見つけることができます。

太陽が沈んでいる限り、金星が昇っているのなら探すには苦労しないでしょう。明けの明星として輝いている時期なら東の空、宵の明星なら西の空を見るだけです。肝心なのは、「今金星が見えるのは宵なのか明け方なのか、それとも太陽に近くて見えないのか」をあらかじめ知っていることです。

毎月の金星の位置は、アストロアーツホームページの「星空ガイド」や月刊天文雑誌「星ナビ」(解説図が充実しています)で調べることができます。

もちろん、天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ Ver.8」を使えば、好きな日時の星図を簡単に表示できます。「天体グラフ」で金星の高度や明るさの移り変わりをグラフで表すことも可能です。ステラナビゲータをお持ちの方は[ツール]−[天体グラフ]とたどって試してみてください。

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春から夏にかけての金星の位置

金星の位置

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今年の夕方に金星がどのあたりに見えるか、ステラナビゲータVer.8で再現しました。観察するときの参考にしてください。

ちなみに、東方最大離角(太陽からもっとも遠ざかって見える)となるのは6月2日。最大光度を迎えるのは7月12日で、マイナス4.5等で輝きます。8月16日に内合を迎え、秋から冬にかけては「明けの明星」となります。

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望遠鏡で満ち欠けを観察しよう

まばゆく輝く金星はいつまで眺めても飽きないものです。でもそれだけでは金星の面白さを半分も楽しめていません。望遠鏡を向けて倍率を上げれば、金星の形が見えてきます(模様は見えません)。時期をずらして観察すると、金星の大きさや満ち欠けがダイナミックに変化するようすがわかるでしょう。

内合のころと、外合のころでは地球−金星間の距離が大きく違います。そのため金星の見かけの大きさ(視直径)もずいぶんと変化します。内合付近での最大視直径は60秒をこえますが、外合付近での最小視直径は10秒以下ですから、実に視直径で6倍、面積では36倍も違うことになります。

さて、惑星は月と同じように、太陽光を反射して輝いていますので、月のように満ち欠けを見ることができるはずです。ただ、火星や木星のように地球よりも外側を回っている惑星は、太陽光が当たる面と地球を向いている面がほぼ同じですから、ほとんど丸い形をしています。それに対して、金星は地球よりも内側にあるので大きく変化します。内合時には新月のように、外合時には満月のようになります。ただし、満ち欠けとともに大きさも変わるので、もっとも明るく見えるのは内合の前後約36日ころです。

金星の位置

金星の満ち欠け。中央が内合のころ、左が宵の明星、右が明け方の明星。

最大光度前後の金星は、双眼鏡でも形がわかるほどです。そうでなくても、満ち欠けを観察するのに使う望遠鏡は口径8cm程度の入門機でじゅうぶんですが、倍率は高めにするとよいでしょう。ただし、金星は空の低いところにあるので、大気の影響を受けて像がゆらぐことは念頭に置いてください。

アストロアーツオンラインショップでは望遠鏡や双眼鏡をはじめとしたさまざまな天文グッズをそろえています。初めて買う一機こそ、安心できる性能の望遠鏡を選びたいものです。星ナビ編集部による入門機レビュー「星ナビ機材セレクション・8cm屈折望遠鏡」も参考にしてください。

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ランデブーに注目!

時期 接近する天体
4月12日 プレアデス星団(M45、すばる)
4月20日 月(月齢2.9)
5月20日 月(月齢3.6)
6月13日 プレセペ星団(M44)
6月18日 月(月齢3.3)
7月 1日 土星
7月17日 月(月齢3.0)、レグルス

単独でも美しい金星ですが、ほかの天体がそばに存在すれば一層すばらしい光景となります。

その筆頭は、なんと言っても月との接近です。宵なら三日月、明け方なら二十七日月ほどの細い月が金星がと並ぶようすはまさに息を飲むほどの美しさです。

ほかの惑星や1等星との競演もよく見られ、双眼鏡の視野に2つ(ときには3つ以上)の天体が収まることも珍しくありません。7月1日には土星と金星が40分角まで接近します。これは望遠鏡の低倍率でカバーできる距離。条件がよければ、土星の環と金星の形を同時に観察するチャンスです。

明るい星団との接近も見ものです。ぜひ双眼鏡を向けてください。

4月から7月までの主な接近を表にまとめました。なお、月はすぐに移動してしまいますが、ほかの天体との接近は前後数日でもじゅうぶん近づいて見えます。金星と天体の位置関係については、「星空ガイド」や「星ナビ」などを参照してください。

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もっと知りたい方のために

星ナビ表紙月刊天文雑誌「星ナビ」なら、あらかじめ計算された天文現象だけでなく、突如現れた彗星のような天体についても、最新の情報や解説を読むことができます。ほかにも、充実した特集や連載コラムは読んでいるだけで天文のさまざまな楽しみに触れることができます。

ステラナビゲータ Ver.8金星が見える位置を詳しく知りたい、ほかの天体と接近する日時を知りたい、写真の構図を検討したい…。あらゆるニーズにお応えするのが天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ Ver.8」です。(最新版は Ver.9 です)

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