土星を見よう
環(リング)があることで有名な惑星、土星。昨年は15年ぶりに環が見えなくなり話題をよびましたが、今年は傾きが少し大きくなり、細い環が見えます。2010年の土星は春先から夏休みごろまで見られます。月との接近を楽しんだり環や衛星を観察したりしてみましょう。
土星の見つけ方
2010年の土星は、「春の大三角」のそばに見えています。
午後8時ごろに、3月〜4月なら東から南東の空、5月〜6月は南の空、7月〜8月は南西から西の空を探してみてください。2つの1等星(アルクトゥールス、スピカ)と1つの2等星(デネボラ)でできる「春の大三角」のそばに、クリーム色をした1等級の星が見えます。これが土星です。
星座や星があまりわからないという場合は、月を目印にしてみましょう。2010年は、3月29日(月齢14)/4月25日(11)/5月22〜23日(8〜9)/6月19日(7)/7月16日(5)/8月13日(3)に、月と土星が並んで見えます。とくに8月13日は、金星や火星も近くにあっていっそう楽しめます。西の空の低いところに見えるので、見晴らしの良いところで観察してみましょう。
「方角がわからない」「日時が違うときにはどっちの方向を見ればいいの」「町明かりがあって星があまりよく見えない」など、土星を見つけられないときには、ニンテンドーDS用ソフト「星空ナビ」を使ってみましょう。天体の一覧から「土星」を選べば、画面に矢印があらわれて土星の方向を教えてくれます。矢印の方向にDS本体をかざせば、その向こうに土星が見つかります。
日時や場所を自由に設定したり、星の名前を表示させたりもできますから、ぜひ活用してみてください。
- 詳しくは…製品情報ページをチェック!
- 「星空ナビ」製品情報ページ
環や衛星を見てみよう
土星の位置がわかったら、今度は望遠鏡で観察してみましょう。5cmクラスの小口径望遠鏡でも、細い環があるようすがわかるはずです。
環の傾きは約15年周期で変化します。2017年にもっとも大きく傾いて環が見やすくなりますが、今年はそれほど見やすくはありません。それでも、4月と8月とを比べてみると、わずかですが8月のほうが環の傾きが大きいことがわかるでしょう。晩秋になると土星は明け方の空に見えるようになるのですが、そのころにはもっと大きく傾いていて、「いかにも土星らしい土星」の姿を見られます。
また、地球と土星がもっとも接近するのは3月末ですので、4月よりも8月のほうが遠い分だけ小さく見えます。といっても、望遠鏡で見たくらいでは、まずわからないでしょう。撮影して比べると、わかるかもしれません。
もうひとつ注目したいのは、土星の衛星です。木星のガリレオ衛星のような明るい衛星はありませんが、土星最大の衛星タイタンは8等級なので、望遠鏡を使えば見ることができます。双眼鏡でも見えるかもしれません。土星本体が明るいので、土星から離れているときを狙って観察するのがよいでしょう。
望遠鏡の口径が大きくなれば、レアやテチスなど10等級前後の衛星も見えてきます。衛星の位置は数時間で変化するので、事前に「ステラナビゲータ」でシミュレーションして見え方を確認しておきましょう。
- 「ステラナビゲータ」で環や衛星の見え方を調べよう
- 「ステラナビゲータ」製品情報ページ
土星関連グッズ:望遠鏡やムックなど
土星の場所も環の見え方もわかったら、いよいよ実際に観察してみましょう。もし望遠鏡を持っていなければ、アストロアーツのオンラインショップを覗いてみてください。目的や予算に応じて、さまざまな機種をラインアップしています。
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