Location:

土星を見よう

肉眼で楽に見える惑星としてはもっとも遠くにある土星は、今年2011年は春の星座の中をゆっくり移動していて、星座を初めて探す方にとっては紛らわしい位置にあります。でも望遠鏡を向ければ普通の星との違いは一目瞭然。小さな望遠鏡でも環(リング)を観察できます。

土星の見つけ方

土星の位置(2011年4月1日)

2011年4月1日 午後9時の東の空のようす。クリックで拡大(ステラナビゲータで作成)

今年の土星は、春の星座の中を動いています。似た明るさの星が近くにあって紛らわしいので、遠回りなようですが春の星座を忠実にたどることから始めましょう。

まずはひしゃくのような形が特徴的な北斗七星を探しましょう。北の方角にあって、春〜夏の宵なら常に見えています。ひしゃくの取っ手側をのばすと「春の大曲線」と呼ばれる大きなカーブが描けます。その先にあるオレンジ色の明るい星(アルクトゥールス)は難なく結べますが、次が問題です。

土星の位置(2011年6月1日)

2011年6月1日 午後9時の全天。画像中央が頭の真上。クリックで拡大(ステラナビゲータで作成)

順当にのばせば純白のスピカにぶつかりますが、すぐそばの土星が紛らわしいですね。図を参考にして、見分けてください。空が暗ければ、スピカと違って黄色味を帯びているのがわかるかもしれません。アルクトゥールスとスピカをもう一つの星デネボラと結べば「春の大三角」と呼ばれる正三角形になるので、これも区別に使えます。

星空ナビで2011年4月1日の星空を再現

「方角がわからない」「日時が違うときにはどっちの方向を見ればいいの?」「町明かりがあって星があまりよく見えない」など、土星を見つけられないときには、ニンテンドーDS用ソフト「星空ナビ」を使ってみましょう。

天体の一覧から「土星」を選べば、画面に矢印があらわれて土星の方向を教えてくれます。矢印の方向にDS本体をかざせば、その向こうに土星が見つかります。

日時や場所を自由に設定したり、星の名前を表示させたりもできますから、ぜひ活用してみてください。

ページの先頭へ

環や衛星を見てみよう

2009年〜2011年の土星の見え方

1年ごとに望遠鏡で見たときの土星のイメージ(ステラナビゲータで作成)

土星の位置がわかったら、今度は望遠鏡で観察してみましょう。5cmクラスの小口径望遠鏡でも、細い環があるようすがわかるはずです。

環の傾き具合は約15年周期で変化します。2009年には地球から見て環が真横を向き、あたかも消えたかのように見える現象が起こりました。今年はだいぶ傾いてきているので、「いかにも土星らしい」土星の姿を見られます。

土星の環は一枚板ではなく、無数の氷や岩石の粒でできています。そこにはいくつものすきまがあり、一番大きなものは発見した17世紀の天文学者にちなんで「カッシーニの間隙」と呼ばれています。環の傾きが大きければ、口径10cmの望遠鏡でも楽に見られますが、今年の傾きでは気候などの条件に左右されます。お近くの科学館などで大きめの望遠鏡をのぞく機会があれば、すきまを見つけられるか挑戦してみてください。

もうひとつ注目したいのは、土星の衛星です。木星のガリレオ衛星のような明るい衛星はありませんが、土星最大の衛星タイタンは8等級なので、望遠鏡を使えば見ることができます。双眼鏡でも見えるかもしれません。土星本体が明るいので、土星から離れているときを狙って観察するのがよいでしょう。

望遠鏡の口径が大きくなれば、レアやテチスなど10等級前後の衛星も見えてきます。衛星の位置は数時間で変化するので、事前に「ステラナビゲータ」でシミュレーションして見え方を確認しておきましょう。

ページの先頭へ

土星関連グッズ:望遠鏡やムックなど

土星の場所も環の見え方もわかったら、いよいよ実際に観察してみましょう。もし望遠鏡を持っていなければ、アストロアーツのオンラインショップを覗いてみてください。目的や予算に応じて、さまざまな機種をラインアップしています。

土星についてもっと知りたい人は、知的好奇心を刺激する天文ムックがオススメです。

「手元」で土星を観察したい人には、土星を模したキーホルダーも。

ページの先頭へ