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【特集】ペルセウス座流星群 2007年8月12〜13日

流星をたくさん見るためのコツ

今年は好条件!

ペルセウス座流星群の放射点が昇るようす

8月13日午前1時ごろ、ペルセウス座流星群の放射点が高く昇ったときのようす。クリックで拡大(ステラナビゲータ Ver.8で作成)

2007年のペルセウス座流星群は、8月13日の午後2時ごろにピークを迎えると予測されています(日本流星研究会による)。ピーク付近で出現数が極端に変わることはないので、8月12日から14日の間、とりわけ13日の未明は観察のチャンスです。

うれしいことに、月は13日に新月(太陽と同じ方向にある、つまり夜に昇ってこない)となるので、月明かりが流星をかき消してしまう心配がありません。まさに絶好の条件と言えるでしょう。

流星群は、放射点が高く昇っているほど見える数も多くなります。ペルセウス座は秋の星座。8月中旬なら日没のころには北東の地平線に姿を見せていますが、夜半過ぎにならないとあまり高く昇ってきません。できるだけたくさんの流星を見たい方は、「日没から深夜にかけて」よりも「深夜から日の出にかけて」の時間帯が本番です。

なるべく広くて暗い空で見よう

全天で流れる流星のシミュレーション

全天を流星が流れるようす。画面中央が真上で、円周が地平線に相当する。クリックで拡大(ステラナビゲータ Ver.8で作成)

流星の背景となる星座

午前3時ごろの星座の位置。クリックで拡大(ステラナビゲータ Ver.8で作成)

放射点は北東の空にあります。しかし、流星は放射点の近くだけで見えるわけではありません。放射点から離れる向きに流れるだけで、全天のどこからでもまんべんなく流れます。また、放射点から遠い流星ほど長く見えます。

そのため、流星はなるべく空の広い範囲が見渡せる場所で見るのが基本です。なるべく、木立や建物がないところを探してください。とくに、天頂から北の方向が開けたところがよいでしょう。

また、明るい光の下では暗い流星は見えません。ペルセウス座流星群の流星は東京など市街地でも見ることができますが、それでも明るい何割かの流星だけに限られてしまいます。ビルの屋上や広い公園など、直接明るい光が目に入らない場所を探しましょう。

もちろん、その際は立入禁止区域には入らない、車に気をつけるなど、安全面にじゅうぶん配慮しましょう。また、周辺の住民の方々や他の観察者に迷惑をかけることのないよう、ごみを持ち帰るなどマナーを守って楽しみましょう

観察の姿勢

夜空を見上げるのに、立ったままでは首が疲れてしまいます。できれば、シートをひいたりビーチチェアを使ったりして寝転がって見上げるのが一番です。ただし夜露がつくことがあるので、敷物はぬれてもかまわないものがよいでしょう。

もう1つ大事なのは、暗闇に目を慣らすことです。明るい部屋から出てしばらくは暗い星まで見えません。30分くらいは空を見上げて目を慣らしてください。さらに、せっかく目を慣らしても、自分で使う懐中電灯がまぶしくては台なしです。懐中電灯に赤いセロファンをはるか、赤色LEDを用意するのが鉄則です。

流星はどこに流れるか分かりませんし、いつ流れるのかもわかりません。ですから星空全体を気長にゆったりとながめるようにしましょう。

流星の姿を残そう

カメラ

カメラはしっかりと固定するのがポイント

流星は、一瞬のうちに流れて消えてしまう現象です。そこで、写真や動画としていつまでも残してみませんか。

流星の写真撮影は意外と簡単です。1分以上、10分未満の長時間露光ができるカメラなら、ピントを無限大(∞)に合わせて、夜空の適当な方向に向けてシャッターを開けば、あとは運次第。フィルムは高感度(ISO800くらい)のものが必要ですし、運任せなので何枚も撮影することになりますが、その点はデジタルカメラなら有利です。

カメラのほかに必要なのは、しっかりした三脚、レリーズ(シャッターを切る道具、カメラによってはリモコンも)、そしてできれば夜露を防ぐためのレンズフードです。

最近人気なのが、流星のビデオ撮影。高感度CCDビデオカメラヘッド「WATEC-100N」はモノクロですが、肉眼で見えない流星も写るほどの高感度です。

詳しい撮影方法はアストロアーツの星空ガイド「流星観測のすすめ」をご覧ください。写真観測やビデオ観測など、流星を記録する方法を解説しています。

もっと知りたい方のために

星ナビ表紙月刊天文雑誌「星ナビ」2007年8月号では夏の星空の楽しみ方を徹底サポート。ペルセウス座流星群をはじめ、さまざまな天文現象や星座・惑星の見方を星図入りで詳しく解説しています。