4日に金星が東方最大離角を迎える。以降、金星は太陽に近づいていくため高度が下がっていくが、明るいので低くてもよく目立つ。その金星の左上には、約2等級まで暗くなった火星がある。2つの惑星の間隔は、来月初めの最接近に向けて徐々に小さくなる。金星が火星を追っているようなイメージだ。
火星は金星から逃げながら、2日前後にかに座のプレセペ星団と大接近する。10日ほど遅れて金星も13日ごろにプレセペ星団に大接近する。どちらも双眼鏡で観察するのがおすすめだ。星団と惑星たちの色や明るさの対比、相対位置の変化などを眺めて楽しもう。
月の後半には金星も火星もプレセペ星団からすっかり離れる。そして22日には細い月・金星・火星の集合が起こる。地球の衛星と、地球の1つ内側の惑星、1つ外側の惑星が仲良く集まる光景は見逃せない。梅雨時季ではあるが、チャンスがあれば一目だけでもぜひご覧いただきたい。
全天星図
東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。
主な天文現象
2日 | ごろ | 火星とプレセペ星団が大接近 |
---|---|---|
4日 | (日) | 金星が東方最大離角 |
10日 | (土) | 月と土星が接近 |
11日 | ごろ | はくちょう座χ星が極大のころ |
13日 | ごろ | 金星とプレセペ星団が大接近 |
22日 | (木) | 細い月と金星、火星が接近 |
カレンダー(月齢と天文現象) |
月、惑星
月
水星
- 上旬:明け方 0.1等
- 中旬:明け方 -0.7等
- 下旬:見えない
金星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~宵 -4.3等
- 中旬:夕方~宵 -4.4等
- 下旬:夕方~宵 -4.4等
- 4日:東方最大離角
- 13日ごろ:プレセペ星団と大接近
- 21日夕方~宵:細い月とやや離れて並ぶ
- 22日夕方~宵:細い月、火星と接近
火星
- 上旬:夕方~宵 1.6等
- 中旬:夕方~宵 1.7等
- 下旬:夕方~宵 1.7等
- 2日ごろ:プレセペ星団と大接近
- 22日夕方~宵:細い月、金星と接近
木星
- 上旬:未明~明け方 -2.1等
- 中旬:未明~明け方 -2.1等
- 下旬:未明~明け方 -2.2等
- 14日未明~明け方:月と並ぶ
土星(▶ 特集ページ)
- 上旬:未明~明け方 0.9等
- 中旬:未明~明け方 0.9等
- 下旬:深夜~明け方 0.8等
- 1日:西矩(みずがめ座)
- 10日未明~明け方:月と接近
- 19日:留
天王星
- 上旬:見えない
- 中旬:明け方 5.8等
- 下旬:未明~明け方 5.8等
海王星
- 上旬:未明~明け方 7.9等
- 中旬:未明~明け方 7.9等
- 下旬:未明~明け方 7.9等
- 20日:西矩(うお座)
主な彗星(~10等前半)、小惑星(~8等前半)
ズィーティーエフ彗星(C/2020 V2)
- 中旬:明け方 10等
- 下旬:未明~明け方 10等
- 21日ごろ:天王星と接近
レモン彗星(C/2021 T4)
- 下旬:未明~明け方 10等
アトラス彗星(C/2023 E1)
- 中旬:夕方~明け方 10等
- 下旬:夕方~明け方 10等
準惑星ケレス
- 上旬:夕方~未明 8等
- 中旬:夕方~未明 8等