夕方の西の空でまぶしく輝く宵の明星の金星の近くに、火星と、しし座のレグルスがある。3天体の並び方が変化していく様子を、梅雨の晴れ間に追いかけよう。金星と火星の最接近は1日ごろ、火星とレグルスは10日ごろ、金星とレグルスは16日ごろだ。火星とレグルスは、夕空で見るにはやや暗めだが、双眼鏡を使うと見やすい。20日前後には細い月も加わり、いっそう豪華な光景となるだろう。金星は月末には太陽に近づいて見えなくなり、8月下旬からは「明けの明星」として夜明け空に昇る。
宵の南天から天頂付近にかけては「へびつかい座」「ヘルクレス座」「うしかい座」と、壮年(?)の男性たちの星座が集まっている。星の明るさや星座の大きさはそれぞれだが、形はどれも人物をイメージしやすい。ぜひ3人とも見つけ出してほしい。七夕の織女星ベガと牽牛星アルタイル、2星の間を通る天の川を南に下って「さそり座」アンタレスと、夏の1等星たちもお見逃しなく。
全天星図
東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。
主な天文現象
1日 | ごろ | 金星と火星が接近 |
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10日 | ごろ | 火星とレグルスが大接近 |
12日 | (水) | 月と木星が大接近 |
16日 | ごろ | 金星とレグルスが接近 |
19日 | (水) | 細い月と水星が接近 |
20日 | (木) | 細い月と金星が並ぶ |
29日 | ごろ | 水星とレグルスが大接近 |
31日 | (月) | みずがめ座δ南流星群が極大 |
カレンダー(月齢と天文現象) |
月、惑星
月
水星
- 上旬:見えない
- 中旬:夕方 -0.7等
- 下旬:夕方 -0.1等
金星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~宵 -4.5等
- 中旬:夕方~宵 -4.5等
- 下旬:夕方 -4.4等
火星
- 上旬:夕方~宵 1.7等
- 中旬:夕方~宵 1.8等
- 下旬:夕方~宵 1.8等
木星
- 上旬:未明~明け方 -2.2等
- 中旬:未明~明け方 -2.3等
- 下旬:未明~明け方 -2.3等
- 12日未明~明け方:月と大接近
土星(▶ 特集ページ)
- 上旬:深夜~明け方 0.8等
- 中旬:深夜~明け方 0.7等
- 下旬:宵~明け方 0.6等
- 7日深夜:月と並ぶ
天王星
- 上旬:未明~明け方 5.8等
- 中旬:未明~明け方 5.8等
- 下旬:未明~明け方 5.8等
海王星
- 上旬:未明~明け方 7.9等
- 中旬:深夜~明け方 7.9等
- 下旬:深夜~明け方 7.9等
- 1日:留
主な彗星(~10等前半)、小惑星(~8等前半)
ズィーティーエフ彗星(C/2020 V2)
- 上旬:未明~明け方 10等
- 中旬:未明~明け方 10等
- 下旬:未明~明け方 10等
レモン彗星(C/2021 T4)
- 上旬:未明~明け方 10等
アトラス彗星(C/2023 E1)
- 上旬:夕方~明け方 10等
- 中旬:夕方~明け方 10等
- 下旬:夕方~明け方 10等
- 31日ごろ:ケフェウス座の散光星雲NGC 7023アイリス星雲と大接近