今月は8日が新月。つまりゴールデンウィークのころは月が細く、天体観察や撮影にうってつけだ。とくに楽しみなのは6日の未明から明け方に見ごろを迎えるみずがめ座η流星群だろう。もともと北半球ではやや見づらい群なので、好条件であっても「降るように見える」わけではないが、活動の極大時間帯(6日の朝)と月齢の条件が揃っている今年は、いつも以上に注目してみたい。
ゴールデンウィーク中の見ものは他にもあり、4日の未明から明け方には細い月と土星の接近が、また5日の未明から明け方には細い月と火星の接近が、それぞれ見られる。さらに5日の昼には火星食も起こる。遠出した先でも普段の生活圏でも、連休中は存分に星空が楽しめそうだ。
月が大きく明るくなってきてからは、月そのものの表情の変化を愛でたり、明るめの星々でできる春の星座たちをたどったりしよう。宵の東の空に昇ってくる「かんむり座」のある星が、もうすぐ新星爆発を起こすと予想されている。その瞬間を目にする幸運をつかむためにも、日々の観察を怠りなく。
全天星図
東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。
主な天文現象
4日 | (土) | 細い月と土星が接近 |
---|---|---|
5日 | (日) | 細い月と火星が接近 |
5日 | (日) | 火星食 |
6日 | (月) | みずがめ座η流星群が極大 |
10日 | (金) | 水星が西方最大離角 |
17日 | (金) | しし座σ星の食 |
カレンダー(月齢と天文現象) |
月、惑星
月
水星
- 上旬:明け方 0.8等
- 中旬:明け方 0.2等
- 下旬:明け方 -0.3等
- 6日明け方:細い月と並ぶ
- 10日:西方最大離角
金星
- 上旬:見えない
- 中旬:見えない
- 下旬:見えない
火星
- 上旬:未明~明け方 1.1等
- 中旬:未明~明け方 1.1等
- 下旬:未明~明け方 1.1等
木星
- 上旬:夕方 -2.0等
- 中旬:見えない
- 下旬:見えない
- 19日:合
土星
- 上旬:未明~明け方 1.2等
- 中旬:未明~明け方 1.2等
- 下旬:未明~明け方 1.2等
- 4日未明~明け方:細い月と接近
天王星
- 上旬:見えない
- 中旬:見えない
- 下旬:見えない
- 13日:合
海王星
- 上旬:明け方 7.9等
- 中旬:未明~明け方 7.9等
- 下旬:未明~明け方 7.9等
主な彗星(~10等前半)、小惑星(~8等前半)
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
- 上旬:夕方~未明 10等
- 中旬:夕方~未明 10等
- 下旬:夕方~未明 10等
- 24日ごろ:おとめ座の銀河M61と接近
オルバース彗星(13P)
- 上旬:夕方~宵 8等
- 中旬:夕方~宵 8等
- 下旬:夕方~宵 7等
- 15日ごろ:おうし座β星エルナト(1.7等)と接近
- 17日ごろ:ぎょしゃ座の散光星雲IC 405勾玉星雲と接近
- 17日ごろ:ぎょしゃ座の散光星雲IC 410おたまじゃくし星雲と大接近
- 20日ごろ:ぎょしゃ座の散開星団M38と接近
- 21日ごろ:ぎょしゃ座の散開星団M36と超大接近
- 24日ごろ:ぎょしゃ座の散開星団M37と接近
- 28日ごろ:ぎょしゃ座θ星マハシム(2.7等)と大接近
ブレウィントン彗星(154P)
- 中旬:明け方 10等
- 下旬:明け方 10等
- 13日ごろ:うお座η星アルフェルグ(3.6等)と超大接近
- 15日ごろ:うお座の銀河M74幽霊銀河と超大接近
- 22日ごろ:おひつじ座γ星メサルティム(3.9等)と大接近
- 23日ごろ:おひつじ座β星シェラタン(2.6等)と大接近
- 23日ごろ:おひつじ座の銀河NGC 772と超大接近
- 28日ごろ:おひつじ座α星ハマル(2.0等)と接近
準惑星ケレス
- 上旬:未明~明け方 8等
- 中旬:未明~明け方 8等
- 下旬:未明~明け方 8等