西の空に、15日にマイナス4.9等の最大光度を迎える宵の明星の金星が輝き、天頂付近には火星と木星がマイナス1~2等級で光っている。さらに南の空に見えるおおいぬ座のシリウスもマイナス1.4等級と明るい。日本(北半球の中緯度)でマイナス1等級前後の天体(月などを除く)が一度に4つも夜空に見えるのはなかなか珍しい機会だ。関東以南であれば、カノープスも含めて5つ同時のチャンスもあるかもしれない。例年以上に豪華絢爛な冬の星空を見上げたい。
比較的見やすい惑星のうち、土星だけは、宵の早い時間帯に沈むようになってきた。もうすぐ環の消失を迎えるため、天体望遠鏡で見てもほとんど環がわからないかもしれない。1日の昼の土星食が、今シーズン最後の土星の見せ場といったところだろう。難度は高めだが意欲のある方は観察や撮影に挑戦しよう。
3日の立春を過ぎると暦の上では春になるが、言うまでもなく実際にはまだ寒い時期が続く。体調管理を万全に。
全天星図
東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。
主な天文現象
1日 | ごろ | 金星と海王星が接近 |
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1日 | (土) | 土星食/細い月と土星が接近 |
2日 | (日) | 細い月と金星が並ぶ |
9日 | (日) | 月と火星が大接近 |
25日 | ごろ | 水星と土星が大接近 |
カレンダー(月齢と天文現象) |
月、惑星
月
水星
- 上旬:見えない
- 中旬:見えない
- 下旬:夕方 -1.2等
- 8日:外合
- 25日ごろ:土星と大接近
金星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~宵 -4.6等
- 中旬:夕方~宵 -4.6等
- 下旬:夕方~宵 -4.6等
火星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~未明 -1.0等
- 中旬:夕方~未明 -0.7等
- 下旬:夕方~未明 -0.4等
- 9日夕方~10日未明:月と大接近
- 10日明け方:火星食
- 24日:留
木星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~未明 -2.5等
- 中旬:夕方~未明 -2.4等
- 下旬:夕方~未明 -2.3等
- 2日ごろ:ヒヤデス星団と並ぶ
- 4日:留
- 7日夕方~宵:月と並ぶ
- 27日:東矩(おうし座)
土星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~宵 1.1等
- 中旬:夕方~宵 1.1等
- 下旬:夕方 1.1等
天王星
- 上旬:夕方~未明 5.7等
- 中旬:夕方~深夜 5.7等
- 下旬:夕方~深夜 5.7等
- 7日:東矩(おひつじ座)
海王星
- 上旬:夕方~宵 7.9等
- 中旬:夕方~宵 7.9等
- 下旬:夕方 8.0等
- 1日ごろ:金星と接近
主な彗星(~10等前半)、小惑星(~8等前半)
小惑星ベスタ(4)
- 上旬:未明~明け方 8等
- 中旬:未明~明け方 8等
- 下旬:未明~明け方 7等