銀河団同士の衝突現場Abell 2256
【2015年3月12日 NRAO】
米・ニューメキシコ州のカール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)は、人の眼では感知できない宇宙からの電波をとらえ、様々な天体の姿や天文現象を明らかにしてくれる。
画像は、こぐま座の方向約8億光年彼方にあるAbell 2256と呼ばれる領域だ。スケールは差し渡し400万光年あり、地球から見ると満月ほどの大きさの範囲になる。このとても不思議な形は、銀河団の衝突に関連するものであると考えられている。
「この画像から、銀河団同士の衝突によって起こる作用を明らかにできます。これまで予測されていなかった、様々な物理的プロセスが起こっていることも示唆されています」(アメリカ国立電波天文台のFrazer Owenさん)。
ステラナビゲータで銀河団の位置や銀河の画像を表示
天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」では、Abellカタログの銀河団の位置を示したり、DSS画像を取得して銀河の画像を星図に表示したりできます。
- Abellカタログは「天体」メニューの「星雲・星団」ダイアログで「エイベル」をチェックすると表示できます(「ACO XXXX」と表記)。
- DSS画像は「天体」メニューの「DSS画像取得」ダイアログで取得して星図に表示します。
〈参照〉
〈関連リンク〉
- アメリカ国立電波天文台: https://science.nrao.edu/
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