長さ50光年のアンモニアのリボン

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米・グリーンバンク電波望遠鏡の観測で、オリオン座分子雲中に伸びるアンモニアでできたリボン状の構造がとらえられた。

【2017年6月21日 Green Bank Observatory

米・グリーンバンク電波望遠鏡(GBT)がオリオン座分子雲中の北に当たる「オリオン座A分子雲領域」を観測し、アンモニア分子が発するかすかな電波を検出して、リボンのように伸びる長さ50光年の星生成ガスの姿をとらえた。

オリオン座分子雲中のアンモニアのリボン状構造
GBTがとらえたオリオン座分子雲中のアンモニアのリボン状構造(提供:GBO/AUI/NSF)

直径100mのGBTでは「グールド・ベルト」として知られる巨大な構造に含まれる、アンモニアなどの分布図を作るプロジェクトを行っている。グールド・ベルトとは、天の川銀河内に約3000光年にわたって広がる、明るい大質量星が集まった領域のことだ。今回の観測データはプロジェクトの最初の成果で、オリオン座A分子分領域やおうし座、ペルセウス座、へびつかい座の領域の観測成果となっている。

アンモニア分子を調べると、星生成ガスの温度や動きがわかる。「これらの観測データを使って、天の川銀河内にある大きなガス雲がどのように崩壊して新しい星を生むのかについての理解を深めたいと思います。最新データは、あるガス雲やフィラメント状のガスが安定して永続するのか、あるいはガス雲の崩壊が進んで新たな星が誕生しているかどうかを判断するうえで、きわめて重要です」(カナダ・トロント大学ダンラップ研究所 Rachel Friesenさん)。