天体写真撮影のトレンドがわかる「ステラショット」アンケートの結果
【2018年2月6日 アストロアーツ】
「ステラショット」は、赤道儀とデジタルカメラをPCから同時制御して、撮りたい天体を手軽に撮影できるソフトです。カメラのライブビューをPCの画面に表示したり、天体導入のずれをワンタッチで補正したり、導入と撮影のスケジュールを組んで「自動巡回撮影」を実現できたりするなど、野外での天体撮影を楽にしてくれるさまざまな機能が搭載されています。
2017年10月に、「ステラショット」ご登録ユーザーの皆様にWeb上で、「ステラショット」へのご意見やお持ちの機材についてアンケートを行いました。総計273名様が回答にご協力くださいました。誠にありがとうございました。
星雲・星団撮影はシニア層が牽引
最も多い年齢層は50代、次いで60代であり、この2つの世代で全体の3分の2を占めています。「ステラショット」での主なターゲットである星雲・星団の撮影は、この年代の方が特に熱心に取り組んでいることがうかがえます。また、撮影歴は10年未満の方が最も多く、子育てが一段落したり、定年を迎えてから始めたりした方が多いことが推測できそうです。
充実した撮影機材
赤道儀のメーカーは、ビクセンとタカハシが圧倒的に多く、この2社で全体の3分の2を占めます。ビクセン製の赤道儀ではSXPが最も多く、同じく中型機のSXDやSXD2が続いています。タカハシ製赤道儀は大半が中型機のEM-200であり、大型機のEM-400がそれに続きます。比較的新しい機種が多い点については、前述の撮影歴の統計と照らし合わせると納得できそうです。なお、少数ですが往年の五藤光学製のマークXを使っているという方もいたのが目を引きます。
鏡筒は、焦点距離500mm前後の短焦点屈折、または1,000mm前後の屈折や反射が多く、ほどよい視野角で星雲・星団を撮影できる望遠鏡を選択されています。
カメラについては、「ステラショット」がキヤノンおよびニコンのデジタル一眼レフカメラのみの対応であることから、この2メーカーの比較となりますが、キヤノンが2に対してニコンが1の割合となっています。キヤノンでは、フルサイズ普及機のEOS 6Dが多く、APS-Cサイズ中級機のEOS 60Dが続きます。ニコンで目立つのは、Hαを放つ赤い散光星雲が圧倒的によく写るD810Aが非常に多く、絶対数ではキヤノンのEOS 6Dと肩を並べるほどです。またD810Aを使っている方の中には、キヤノンのカメラも同時に保有している方が多いのも特徴です。
「ステラショット」の満足度
「総合的な操作」、「導入補正」、「ライブビュー」を特に便利と感じた回答が多く、ほとんどの方が「満足」、または「やや満足」との回答をいただいています。全体的には、撮影の手間が省けることが、大きく評価されていることがうかがえます。
逆に不満な点としては、うまくオートガイドができない問題の指摘が目立ちます。この点につきましては、次回アップデータで大幅な改善を予定しています。
開発チームより
星雲・星団を写すための操作を大幅に省力化して、より撮影に集中し深宇宙への興味を深めていけるように、「ステラショット」をはじめとするソフトウェアの開発を続けてまいります。ご意見やご要望をお寄せいただけますと幸いです。
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