- 光文社
- 282ページ
- 978-4334787837
- 定価 924円
同時に紹介する『いちばんやさしい最新宇宙』より広く科学全般に話題を求めた本。本当に誰かに教えたくなりますよ。評者開祖の雑学天文大百科より大百科たる由縁の本。あなた、お札が磁石に引かれるなんてご存じでした? 心臓は癌にならないわけ知っていました? バラになぜ棘があるか、なんて考えてみたことあります? イチゴが果物ではなく野菜だったなんてご存じでした? フグが自分の毒で死なないわけは? なんていうのが全て、宇宙はなぜあるの? に通じているのです。
すなわち、科学というのは全て「なぜ?」からはじまるのです。天文好きの皆さんには失礼な話ですが、昼間で北極星が見えないとき、あるいは富士山北西部の青木ヶ原樹海内のように方位磁石が利用できないところにいる場合に北を知るには? あるいはそもそも磁石の北極と方位の北極がずれていること自体、ご存じでした? 伊能忠敬が活躍した江戸時代が地磁気の最強の時代で、現在は弱まりつつあるということは? 衛星放送パラボラアンテナの方位が110度で南西に向いていること、樹木の幹にこけが生えている側が北だということはどうですか。金星が逆自転しているわけは? とか、ハトが首を振って歩くわけは? 地震発生時に竹藪に逃げろは誤り、なんていうこと、そもそも雑学ですよね。そうなんです。天文学や科学など全ての学問は、最初は雑学から出発したのです。本書は本当に面白い。サイエンスライターである著者に、乾杯!