- 日刊工業新聞社
- 18.8×13cm、332ページ
- ISBN 978-4526079856
- 価格 1944円
知る人ぞ知るJAXA宇宙科学者の大先生の著書。評者もお世話になった数々の名著を出版されている。中でも『宇宙飛行の父ツィオルコフスキー』は、ツィオルコフスキーの伝記として最高のもの。そんな大先生がまたまた書いてくれました。勿論50周年記念の書。
謎めいた表題の「3つ」とは、早速前書きでバラしてくださった。技術者と飛行士と科学者だそうだ。三者の連携(一部は一体)がアポロ計画を成功させたというのだ。そこにはアポロ計画を有名にした政治家は入っていない(少しは関係しているが…)。頑張ったエンジニアたちと経験豊かなパイロットたちと聡明で夢溢れるサイエンティストたちが結集させたドラマなのだ。本書には、そのハラハラドキドキが至る所に描かれています。
アポロを知らない50歳以下の皆さんにも、是非本書は熟読をおすすめしたい。勿論アポロ計画だけでなく、ツィオルコフスキー、コンドラチュク(本書で評者は初めて知った)、コロリョフ、フォン・ブラウン、ファジェイ、ハミルトンなどアポロに至るまでの重要人物の経歴紹介から、V-2、R-7などロケット史に残るものが詳細に紹介され、それだけでも本書を貴重な資料としてくれた。もちろん、本題のアポロについては、1号から17号(以降20号までを中止させたのがあのニクソン大統領)の経緯を、本書はつぶさに紹介してくれている。ぜひぜひお読みになって、人類史上最大のドラマをご観賞ください。