- 丸善出版
- 15×10.9cm、1162ページ
- ISBN 978-4621304259
- 価格 1540円
理科系関係者なら、天文地球物理の人だけでなく誰もがお世話になったことがあり、毎年刊行される年表だが、近年は面白いトピックスも掲載されるようになった。2020年号には天文関係で、同年6月10日(時の記念日)が制定100周年であることや、令和関連の記事、史上初のブラックホールシャドウ撮影成功、アルマ望遠鏡の最新成果(うみへび座TW星)、ハッブル・ルメートルの法則の記事が面白い。中でも令和という年号(元号とも)が、政府発表では万葉集初記載とされたが、実はさらに600年遡る張衡の帰田賦によるという本書評第134回でご紹介した東京古典研究会の皆さんの主張を、理科年表編纂者の皆さんも読んだのだろう。繰り返して申し上げるが、同書は評者の住まい近くの書店でのみ販売されていた貴重書なので、おそらく本書評から情報を得たに違いない。
本日購入してきてすぐさま書いている書評なので、細かいデータ内容についてはまだ検討できていないが、紹介パンフレットには基礎物理定数の項目改定や、気象災害データも大幅更新、火山・地震情報も大幅改訂・増補、新規項目として地球温暖化が生態系に与える影響についても新規に掲載しているという。やはり、科学の進歩発展はものすごいのだ。
理科年表をきっかけにして、若い人から老人まで、科学に関心をお持ちになる人が増大することを、評者は切に願って止まないのだ。