- 暗黒通信団
- 15ページ
- ISBN 978-4873102313
- 価格 250円
並の週刊誌より安い本。たったの250円! だが18〜19世紀のミッチェルやラプラスの古典力学でのそれや、シュヴァルツシルト解、ライスナー・ノルドシュトルム解、コンパクト天体、ブラックホール唯一性定理、宇宙検閲官仮説、ブラックホールの蒸発、いて座A*、未解決問題と、ブラックホールに相応しく、密度が非常に濃い本書である。
現代物理学書である故に、数式は当然いくらかあるが、今回同時にご紹介した「電子レンジのようなもの(仮)を使って重力波を作ろう」ほどではない。特にいて座A*の説明は、一読に値する。また、続く重力波の発見の説明も是非読んでいただきたい。両方併せて2頁ちょっとで数式も全くないから、気楽に読めますよ。
だが、本書最大のミステリーは、見開きで右ページ下に書かれた、というより描かれたスペクトル吸収線のような黒い線マーク。これについての説明は本書のどこにもなく、しかもパターンが全ページ異なっているのだ。何を意味しているのか、全く不明である。いずれ、手紙で質問したいところ。もう一つ、乱丁、落丁がある本は在庫がある限りお取り替えいたします、とある後に、「私は宇宙検閲官だ」と名乗る方の検閲はお断りしますとある。こんなことが堂々と書かれている本を、皆さんは持っていたくありませんか? 申し上げるまでもなく、評者は宝箱に入れて孫の時代まで保管しておきたいと思います。