月刊ほんナビ 2025年1月号
📕 「天文ライフの強い味方!手帳と年鑑」
紹介:原智子(星ナビ2025年1月号掲載)
スケジュール帳のページも残りわずかになり、2025年の天文活動計画を立てる時期になった。まずは、新しい手帳を準備することから始めよう。
半世紀近くにわたり、私たちのそばで天文生活を支えている『天文手帳2025』。仕様に大きな変動はなく、ベテラン天文活動家のような安定の存在感だ。とはいえ、少しずつ変化もある。今回目を引いたのは、表紙カバーの天体写真が大きくなったこと。2019年に大幅リニューアルをした際、表紙デザインもすっかり新しくなった。そのベースを引き継ぎつつ、天体写真の部分が広がった。しかも今回は活発な活動を見せた太陽面のインパクトある写真で、一部から「ドラゴンボール」の声が上がったとか。それ以外の変更点を編集員に取材すると「メモページを増やした」とのこと。「5年前のリニューアルで『手帳なのにメモが減った』という声をいただいたので工面した」という。愛用者の声は制作側に届き「使いやすく、役立つ手帳にしたい」という両者の熱意でこの手帳は作られ続けている。
一方、今年で10年目になる『天体観測手帳2025』も見慣れてきたと感じる。文庫本サイズにカラーのイラストと写真で示す星空案内は、美しくてわかりやすい。「手帳」とうたっているが、「手帳型の天文系年鑑」といえるほどビジュアルが豊富だ。
最後に紹介する手帳は、当コーナー初登場の『元素手帳2025』。発刊10周年を迎えて、元素好きがニヤニヤしそうな内容が満載。マンスリーページの情報欄は、2021年に改訂された誕生石の新顔を中心にした「誕生石パート2」。学校年度に対応して翌年3月まで続き、2026年のテーマは「『春と修羅』と元素」。賢治ファンの筆者は、早くも先が楽しみだ。資料ページには、元素擬人化プロジェクト『元素楽章』とのコラボ企画「元素の魅力を見つけよう」を掲載。さらに、特設サイトにアクセスすれば着せ替えカバーをダウンロードできる。
ここからは、年鑑を3冊紹介する。『月のこよみ2025』は月の満ち欠けを中心に、天文初心者でも楽しみやすい天文現象を案内するガイドブック。和紙のような温もりを感じる紙に、カラー版画のような素朴なイラストが描かれ、自然に月を愛でたくなる一冊。月齢カレンダーが大きく載っているから、大判手帳のような雰囲気もある。
藤井旭さんが世を去って2年になるが、彼の遺志を継いだ人々によって今回も『藤井旭の天文年鑑2025年版』は発刊される。40年近く子どもたちを導いてきたこの本は、きっとこれからも多くの天文少年少女を育てていくだろう。巻頭のカラー写真は、定番の皆既日食や流星群以外に、惑星の食と接近、低緯度オーロラ、そして見事な紫金山・アトラス彗星。
最後は、当誌編集部による『アストロガイド 星空年鑑 2025』。1年間の天文現象や星空案内を大判の誌面に、オールカラーでわかりやすく解説するムック。付録DVDには「天文現象ダイジェスト」「皆既月食」「環のない土星」「宇推くりあが語る!宇宙機のロマン」を収録。ユーザー登録すると、同誌掲載の「天文現象画像パック」「天文カレンダーと天文現象解説のPDF」の特典が得られる。なかでも担当編集員のイチオシは、初登場の「天文カレンダーのデジタルデータ」。Googleカレンダーなどics形式に対応したアプリで表示でき「天文現象を見逃すことなく便利!ぜひ登録して活用してほしい」とオススメ。「あと、誌面のミニコラムが倍増したのでチェックして」とも。
さて、現時点で入手できた手帳と年鑑類を紹介してきたが、天文マニアなら必携の『理科年表』と『天文年鑑』がまだ手元になく詳細がわからない。事前情報によると、『理科年表』は人気番組の名物ディレクターの配信動画『水曜どうでそうTV』とのコラボ企画があるという。これは気になる話題でぜひとも詳細を紹介したい。そこで、引き続き次号で『理科年表』『天文年鑑』と天文カレンダーなどについて掲載するのでお楽しみに!