チャンドラがとらえた超新星1999em

【1999年12月14日 NASA TodayChandra X-ray Observatory Center

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1999年10月29日10時34分(世界時)、おとめ座銀河団中のNGC1637銀河で発見された超新星SN1999emをチャンドラX線宇宙望遠鏡が観測することに成功した。超新星爆発の初期フェイズを捉えた貴重なX線データとして注目されている。

(左図)1999年11月1〜2日にX線で撮影された渦巻き銀河NGC1637とSN1999em(右下の星)

「ごく近傍の銀河NGC1637に出現した超新星1999em(vsolj-news024)」で紹介されたように、SN1999emは距離にして3000万光年という近傍の宇宙に出現した超新星で、発見時の光度も可視光で13.5等と比較的明るかった。

超新星の観測はこれまでに1000例をこえるほど多くの記録があるが、それはほとんどが可視光での観測であり、X線ともなるとわずかに10例を超える程度のデータしか残されていないのが現状である。そんな中、チャンドラは搭載されているAdvanced CCD Imaging Spectrometer(ACIS)を用いて11月1〜2日と11月11日〜12日にかけて、それぞれ9時間程度の観測を行なった。

この間の観測を比べてみると、X線での強度は10日間でおよそ半分にまで減少していることがわかった。しかし可視光ではごく僅かしか変化はみられず、私たちの太陽の2億倍という強度の放射を保っていたのである。さらにこの間、電波ではなにも受かっていなかったという。

可視光による観測では、この超新星は膨張スピードの速いII型と報告された。このような超新星では、星の外部に吹き飛ばされる物質がもともとあった物質と相互作用を起こして強烈な衝撃波を形成、その波が外部のガスをあたためてX線が放射されている考えられている。X線での観測はあたためられたガスのダイナミクスを調べる上で貴重な情報を与えてくれるものである。

●ニュースソース(詳細はこちらへ)
The End of Days -- Chandra Catches X-ray Glow From Supernova(December 14, 1999)

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