アトランティス号、作業を終え帰還へ。19日早朝に観測チャンス
【2000年9月18日 FLORIDA TODAY Space Online / AP (2000.9.18)】
9月8日夜に打ち上げられ、10日夜から国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしていたスペースシャトル・アトランティス号(STS-106/2A.2b)は無事作業を終え、18日昼、ロシア上空でISSから分離した。ちょっとしたコンピュータ・トラブルのため、2〜3分遅れての分離となった。
今回のアトランティス号の任務は、10月30日に打ち上げを控える第1次長期滞在クルー(Expedition One)のための準備。行なった作業は、船外活動(EVA)によるサービス・居住棟「ズベズダ」とISSの各種ケーブル接続、食料・各種日用品など約3トンにのぼる補給品の運び込み、運動器具やトイレ、酸素生成装置の設置、不用品の撤去などだ。また、シャトルの軌道修正エンジンを用いてISSの軌道を約14マイル(約22キロメートル)上昇させた。
10月5日には、シャトル史上100回目のフライトとなるディスカバリー号(STS-92/3A ISS艤装フライト)の打ち上げが予定されている。ディスカバリー号の任務は、通信システムや姿勢制御システムを搭載した「Z1トラス」という構造体や、ISSとスペースシャトルを連結するドッキングポートである「PMA-3」の設置。日本人宇宙飛行士、若田光一氏も搭乗。約11日間の飛行を予定している。
アトランティス号の帰還は20日夕方の予定だが、着陸地点のケネディー宇宙センターのあるフロリダ州ケープ・カナベラルにはハリケーン「ゴードン」が接近している。幸い、アトランティス号の帰還には影響しない見込みだが、ディスカバリー号の打ち上げ準備に影響が出る恐れがあり、ディスカバリー号の打ち上げ日程は延期される可能性がある。
なお、19日午前4時ごろ、およそ25度離れて飛ぶISSとアトランティス号のようすが日本から見られるようだ。残念ながら気軽に観測できる時間帯ではないが、めずらしい光景なのでぜひ観測したいところである。双方とも2等〜0等級と明るいので、都会でも裸眼で容易に確認できる。観測方法の詳細に関しては、アストロアーツWebニュース「シャトルがドッキング中の国際宇宙ステーションを見よう」を参照のこと。
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