ミール廃棄用のプログレスの打ち上げが延期
【2001年1月19日 BBC NEWS (2001.01.18)】
日本時間1月18日15時56分に予定されていた、ロシアの宇宙ステーション「ミール」へ向かう無人補給船「プログレスM1-5」の打ち上げが、直前になって中止された。このプログレスは通常の2.5倍の燃料を積載しており、3月上旬、ミールの速度を落として太平洋に落下させるために用いられる。
中止の理由は、打ち上げの数時間前になってミールの電気系に電圧降下というトラブルが生じ、ミールの姿勢制御用のジャイロスコープ (ジャイロダイン) とメイン・コンピュータが停止したため。ジャイロスコープが停止したままでは、ミールの姿勢が乱れ、補給船のドッキングが不可能になる。ロシアは電気系とジャイロスコープの復旧次第、プログレスを打ち上げるが、早くても1月21日になる見込み。
なお、2000年12月末には、電圧の降下によりミールの通信装置がダウンし、交信が20時間以上にわたって途切れるというトラブルがあったが、今回は管制センターが電圧の降下に気づいた時点で、不要な機器の電源をすばやく落として通信装置のための電力を確保したため、交信途絶は回避された。
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