ガンマ線バーストは若い超巨星の爆発?

【2001年6月25日 NRAO Press Release (2001.06.05)

アメリカ国立科学財団 (NSF) の超大型干渉電波望遠鏡VLAの観測により、ガンマ線バーストの母銀河の電波画像が初めてとらえられた。この結果、この銀河がひじょうに激しい星生成活動を行なっていることが判明した。

ガンマ線バーストとは、宇宙の一点から突然多量のガンマ線が爆発的に放射される現象であり、ビッグバンに次いで宇宙でもっとも規模の大きい爆発現象と考えられているものだ。ひじょうに遠方の太古の宇宙に起源を持つらしいことは知られているが、その正体は謎につつまれており、近代天文学最大の謎ともいわれる。

その正体については、2つの超高密度天体――中性子星やブラックホール――が衝突・融合する際に生じたものであるとする説や、若い超巨星が崩壊する際の大爆発であるとする説などが考えられているが、今回の結果は、ガンマ線バーストの正体がこの2つの説のうちの後者であることを支持するものだ。

アメリカ、カリフォルニア州パサディナで開催されたアメリカ天文学会にてこの研究発表を行なったEdo Berger氏 (カリフォルニア工科大学、大学院生) は、「もしガンマ線バーストの正体が、私たちの信じるように若い超巨星の爆発であるなら、逆にガンマ線バーストを利用して、はるか太古からの星生成の歴史を探ることができるかもしれません」と語っている。

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