巨星の周りにも惑星が見つかった
【2002 年 1 月 21 日 University of California, San Diego Press Releases】
巨星の周りを公転する惑星が初めて発見された。我々の太陽系の行く末を含め、年老いた星の周りの惑星系がどのような運命をたどるのかを調べる上で重要な発見と言えそうだ。
惑星が見つかったのは地球から 100 光年ほど離れたりゅう座 ι である。この星は中心の水素を燃やし尽くしてしまった年老いた巨星で、大きさは太陽の 13 倍程度である。これまでに惑星が見つかった星はいくつかあるが、巨星の周りに惑星が見つかったのは今回が初めてだ。
この惑星は、主星の運動を詳しく観測することで発見された。惑星からの引力によって主星の運動がわずかにふらつくので、その様子を観測すれば惑星の存在がわかり、同時にその質量も推定することができるのだ。見積もられた質量は木星の 8.7 倍である。ただし、この方法によって見積もることができるのは惑星の質量の下限値なので、実際にはもっと大きい可能性もある。もしかしたら惑星というよりも褐色矮星(核融合を起こして輝き始めるだけの質量がない星)かもしれないが、いずれにしても巨星の周りに見つかったのは初めてのことだ。
我々の太陽もこのりゅう座 ι と同じように進化していくと考えられている。数十億年後、太陽が巨星へと進化した時、地球は現在の 60 倍もの放射を浴びるようになり、地表の温度は摂氏数百度にもなってしまうだろう。もちろん海は干上がってしまい、水蒸気は地球から逃げてしまう。この惑星系は、地球の最後を教えてくれているのかもしれない。