若い星の周りに見られる衝撃波

【2002年3月7日 STScI Press Release

これは、NASAのハッブル宇宙望遠鏡が1995年2月にオリオン大星雲のモザイク写真を撮影した際に写された、オリオン大星雲の一角にある若い星オリオン座 LLの周辺部である。バウ・ショックと呼ばれる衝撃波がはっきりと見えている。

(オリオン座大星雲の一角の写真)

オリオン座大星雲の一角に見られる衝撃波領域(写真提供:NASA and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)、謝辞:C. R. O'Dell (Vanderbilt University))

船が水を切って進む時にできる三日月形の衝撃波をバウ・ショックと呼ぶが、宇宙空間で2つのガスの流れが衝突すると同じような衝撃波が発生する。オリオン座 LLからは強い恒星風(荷電粒子の流れ)が吹き出しており、この恒星風がオリオン大星雲の中心からゆっくりと流れ出ているガスと衝突して、写真の中心に見られるような衝撃波面ができあがるわけだ。

天文学者たちは、この星形成領域にたくさんの衝撃波面を見つけている。観測から得られたデータをもとにして、星の誕生に関連する多くの複雑な現象の理解が進むと考えられている。

オリオン大星雲は我々からの距離が1500光年と近いところにあり、新しい星が次々と誕生している星形成の現場である。

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