X線で見えたケンタウルスAのアークは大爆発の証拠
【2002年8月8日 Chandra Photo Album】
NASAのX線観測衛星チャンドラが撮影した、電波銀河として有名な天体ケンタウルスA(NGC5128)の画像が公開された。他の波長で撮影された画像との合成画像は、ケンタウルスAの複雑な構造を写し出している。
ケンタウルスAは地球からおよそ1,100万光年離れたところにあり、強力な電波を放射していることで有名な天体だ。チャンドラの観測により、高温ガスでできた2つのアーク(円弧状構造)が見つかった(青色の画像)。アークの温度は数百万度で、直径およそ25,000光年のリング構造の一部を見ているのだと考えられている。大きさや位置から考えて、このアークは1,000万年前に起こった大爆発で形成されたようだ。
公開された画像は、X線波長で撮影されたものだけでなく、他の望遠鏡で撮影された可視光や電波波長の画像もある。波長の違いは観測している天体の成分や元素の違いに対応しており、チャンドラが撮影したX線波長は高温高エネルギーのガスを表している。それぞれの色は擬似的につけられたものなので、実際にこのような色で美しく見えるわけではない。合成することで、場所によって銀河を構成している成分などが違うことやお互いの関係などがよくわかるだろう。