スマトラ島沖地震による地球の自転速度の速まりと北極の移動

【2005年1月14日 Science@NASA

NASAの専門家の計算によると、広範囲に悲劇的な爪あとを残した昨年12月26日のスマトラ島沖地震によって、地球の自転速度と北極の位置が変化したということだ。自転速度は地震前に比べ速くなっており、北極は数センチメートル移動したという。

NASAのゴダードスペースセンターとジェット推進研究所(JPL)の専門家の計算では、北極は東経145度の方向におよそ2.5cm移動し、地球の自転速度はわずかに速まっているという(1日あたり約100万分の3秒)。自転速度が速くなったのは地球の形(回転楕円体)が上下に伸びたためで、フィギュアスケートの選手が両腕を縮めてスピンの回転を早めるのと同じようなものだという。

すべての地震は地球の自転に影響を及ぼしているが、ほとんどの場合その影響は極めてわずかである。この100年間で4番目の規模であった今回のスマトラ島沖地震の力は、あらゆる意味で例外だったようだ。