火星最新画像:メガネ?魚? 自然がつくる不思議な地形

【2006年6月29日 NASA Planetary Photojournal(1)(2)

現在火星には、地表に2台の探査車、上空に4機の探査機があって、連日画像を地球に届けている。新しい探査機の活躍に注目が集まりがちだが、「古参」の探査機が撮影した画像にも興味深い物が多い。7年以上も観測を続けている「マーズ・グローバル・サーベイヤー」とミッションの5年目に入っている「2001マーズ・オデッセイ」からのユニークな画像を紹介しよう。


火星にメガネ

(マーズ・グローバル・サーベイヤーが捉えた火星のクレーターの画像)

マーズ・グローバル・サーベイヤーが捉えた火星のクレーター。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/Malin Space Science Systems)

「マーズ・グローバル・サーベイヤー」は、1997年9月11日に火星周回軌道に入ったNASAの探査機。同探査機に搭載されているMOC(火星軌道カメラ)が撮影したこの画像は、火星南部にある「プロメテイ平原」のクレーターだ。2つのクレーターは半分埋もれてしまっていて、なめらかな内部と盛り上がった縁がまるでメガネのように見える。

サーベイヤーとは測量士の意味。その名のとおり火星の地形を詳細に調べることを主な目的としており、「マーズ・グローバル・サーベイヤー」は第1次ミッションを2001年1月に終えた後、2003年末に第2次ミッションも完了させ、現在は2006年9月まで続く第3次ミッションに入っている。


魚か化石か植物か、なぞの地形

(北極付近の砂丘の画像)

2001マーズ・オデッセイが撮影した北極付近の砂丘。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/Arizona State University.)

この特徴的な形は、魚のうろこだろうか、それとも何かの化石だろうか、はたまた植物か…それともエイリアン?「2001マーズ・オデッセイ」が撮影したのは、どれでもない。火星の北極付近にある、ただの砂丘のようだ。

NASAの2001マーズ・オデッセイ探査機も2001年10月以来ずっと火星の観測を続けている。その目的は、火星が生命を育むのに適切な環境なのかどうか、将来に向けて人間にとって火星が住みやすい環境であるかどうかに関わる調査だ。現在は探査以外に、2004年初め火星に到着した「マーズ・エクスプロレーション・ローバ」や「マーズ・エクスプレス」の通信を中継する役割も果たしている。

火星探査の今後〜火星移住の可能性〜

地球以外の天体への移住の第一歩として挙げられるのが火星有人探査。NASAの無人探査機マーズ・リコナイサンス・オービターは火星表面を詳しく調べて将来の有人活動に備える計画だ。水の有無を調べるために2007年に予定されているフェニックス計画を皮切りに、2010年から2020年には火星からのサンプル・リターンや火星表面を数百メートル堀って地中を探査計画もある。(「150のQ&Aで解き明かす 宇宙のなぞ研究室」『人間は地球以外の天体に移住できる?』より)

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