系外惑星探査衛星COROTが初の惑星発見、予想以上の精度を発揮

【2007年5月7日 ESA News

昨年12月に打ち上げられた系外惑星探査衛星「コロー(COROT)」が初めて系外惑星を発見した。また、別の恒星で起こっている震動もとらえている。観測精度は予想以上に高く、関係者を驚かせているほどだ。


恒星の前を横切る木星サイズの惑星の想像図

恒星の前を横切る木星サイズの惑星の想像図。クリックで拡大(提供:NASA, ESA and G. Bacon)

恒星の光度変化のグラフ

惑星の存在を示す、恒星の光度変化のグラフ。クリックで拡大(提供:COROT exo-team)

フランス国立宇宙研究センター(CNES)とヨーロッパ宇宙機関(ESA)が共同で開発した衛星COROTが、初めて惑星の検出に成功した。見つかった惑星はCOROT-Exo-1bと名付けられた。いっかくじゅう座の方向1500光年の距離にある太陽のような恒星の周りを約1.5日の周期で回っていて、半径は木星の1.78倍ほどある高温の巨大ガス惑星だ。さらに地上から行った観測で、質量は木星の1.3倍ほどと見積もられた。

COROTが本格的な観測を始めてから60日間が経過した。データは次々と送られてきていて、順次解析が行われている。COROT-Exo-1bをとらえた恒星の観測データも、荒いものだという。まだまだ補正の余地がある上に、同じような恒星をたくさん観測することで、さらに精度を上げることができる。このことを考慮すると、どうやらCOROTの観測機器は予想以上の精度で機能しているようだ。地球と同じサイズの惑星が見つかる可能性もでてきた。

もう1つの目的である「星震(恒星が起こす地震のような震動)」の観測も順調、いや予想外に快調だ。われわれの太陽とよく似た震動がとらえられているほか、ある恒星では磁気活動が引き起こすと思われる予想外に大きな変動も見られた。その精度は、COROTと同じ口径30センチメートルの望遠鏡が発揮しうる限界を達成している。

COROTプロジェクトの科学者でESAのMalcolm Fridlund氏は次のように感想を述べた。「COROTはまさに幸運の星のもとに生まれたようです」