2007年ペルセウス座流星群の出現予測
【2007年8月6日 CBET 1019 / 国立天文台 アストロ・トピックス(318)】
今年のペルセウス座流星群の活動について、SETI研究所のPeter Jenniskens氏が予測を発表した。
Jenniskens氏によれば、最大のピークは世界標準時(以下同)8月13日午前10時(日本時間13日午後7時、以下同)で、ZHR(解説参照)は80±20個程度。それに加えて、出現数は予測できないものの、13日午前4時(13日午後1時)にもピークがあるとしている。
Jenniskens氏の予測は、母彗星であるスウィフト・タットル彗星が何度も通過する間に蓄積されたダストの位置をもとに行われたとのこと。流星群の出現は、母彗星が放出したダストの帯と地球の接近を調べることで予測される(【特集】2007年 ペルセウス座流星群参照)。最近は個々の帯の位置をより正確に計算する方法が確立し、予測精度もあがりつつある。
このほかの専門家からは、次のような予測が発表されている。佐藤勲氏によれば、12日午後10時55分(13日午前7時55分)に、スウィフト・タットル彗星が1479年に放出した帯がかすかに接近する。E.Lyytinen氏によれば、13日午前0時27分(13日午前9時27分)にピークがある。J. Vaubaillon氏によれば、最大のピークは12日午後10時42分(13日午前7時42分)だが、Jenniskens氏はこのピークを起こす帯について、せいぜいZHR20個程度の上乗せにしかならないだろうと見積もっている。
以上の結果をまとめれば、出現のピークは日本時間で13日の昼間ごろにあたりそうだ。ペルセウス座流星群はピークから数時間外れただけで出現数が劇的に変わるような流星群ではないので、悪条件というわけではない。13日の未明が最大の見ごろとなりそうだ。
実際の結果が気になる方は、集計に参加してみるのはいかがだろう。星空ガイド「流星観測のすすめ」では観測するときのポイントや報告方法を解説しているので、本格的に取り組んでみたい方は必見だ。手軽に数えてみたい方には、携帯電話を使った記録サービス「i-流星観測」をおすすめしたい。
今年のペルセウス座流星群は好条件(国立天文台 アストロ・トピックスより)
毎年8月12日、13日ごろを中心に「ペルセウス座流星群」が活発に活動します。特に今年は、月明かりの影響がないため、たいへんよい条件で観察することができます。
ペルセウス座流星群は、毎年多くの流星が出現する「三大流星群」のひとつです。じゅうぶんに暗い夜空で晴天に恵まれれば、1時間に30個を越える流星を見ることができるでしょう。この流星群は、夜でも暖かい夏の時期に活動する上、夏休みやお盆休みの方も多く、観察しやすい流星群であるといえます。その上、今年は8月13日が新月のため、月明かりの影響をまったく受けることなく観察できるという好条件に恵まれています。
今年のペルセウス座流星群は、世界的に見ると、13日の昼間(日本時間)にもっとも多くの流星が出現するだろうと予想されています。しかし、流星群の活動は何日間か続きますので、その前後数日間は流星の出現が期待できます。ひと晩のうちでは、真夜中前よりは真夜中過ぎのほうが多くの流星が出現すると思われます。
流星群の観察には、望遠鏡や双眼鏡は不要です。人工の明かりの少ない、空が広く見渡せる場所で観察してみましょう。流星は空のどの方向に出現するかわかりませんので、安全な場所に寝転んで夜空を見上げ、気長に待つのがよいでしょう。虫除けや防寒対策をじゅうぶんにして、事故などにあわないよう注意してください。
国立天文台では、できるだけ多くの方に流れ星を眺めてもらおうと、流星群が活発に活動する11日の夜から14日の朝までの間「夏の夜・流れ星を数えよう」キャンペーンをおこないます。この期間に15分以上夜空を観察し、その間に何個の流れ星を見ることができたかを報告してください。携帯電話からも参加可能ですから、これまで流星を眺めたことのない方も、ぜひお気軽にご参加ください。
ZHR
「天頂修正時間平均流星数」の略。輻射点(放射点)が天頂にある、空が暗くて雲がないなどの理想的条件で観測されるはずの、1時間あたりの流星数。実際に見える流星数であるHR(時間平均流星数)とは区別される。