【新製品情報】天体写真入門デジカメとして注目!キヤノンEOS Kiss F発売
【2008年7月9日 キヤノン】
キヤノンからデジタル一眼レフカメラEOS Kiss Fが発売された。ファミリー層などをターゲットにした気軽に使える一眼レフカメラで、実勢価格はボディのみ7万円前後。天体写真入門機としても注目される新製品だ。
2008年6月27日、キヤノンからデジタル一眼レフカメラEOS Kiss Fが発売された。撮像素子の有効画素数は約1010万画素で、従来のエントリー機EOS KissDigital Xと同じ画素数だが、新開発のCMOSセンサーを採用している。映像エンジンは「DIGIC III」で、これで同社のデジタル一眼レフカメラはEOS 5D以外の全機種で映像エンジンの世代交代を果たしたことになる。
製品の位置付けとしては、価格が低く抑えられていることが特徴だ。実勢価格は7万円前後(ボディのみ)。3月に発売されたKissの上位機種EOS Kiss X2よりも実勢価格で1万数千円程度安く買える。仕様の見どころを概観してみよう。
従来機EOS Kiss Digital Xと比べて天体撮影用途で注目すべき進化は、ライブビュー撮影機能が搭載されたことだ。液晶モニタでリアルタイムの映像を見ながらピントや構図を確認することが可能で、画面内でピントを確認したい箇所にフレームを移動して5倍、10倍の拡大表示をしたり、水平垂直の確認に便利なグリッド(格子線)を表示させたりすることも可能。上位機種同様、付属のソフトウェアEOS Utilityをインストールしたパソコンと接続すれば、リモートライブビュー撮影もできる。EOS Kiss Digital Xからの買い替えを検討する人は、リチウムイオン充電池の種類がEOS Kiss X2と共通のものになったことや、記録メディアがSDメモリーカードになったことも知っておきたい。
上位機種EOS Kiss X2との違いもある。記録画質をRAWにして撮影した場合には、EOS Kiss Fは12bit、EOS Kiss X2は14bitで記録される。EOS Kiss Fは約1010万画素、EOS Kiss X2は約1220万画素という違いもあるが、天体画像では画像を見比べても画素数による実質的な差を感じることは少ないだろう。液晶モニタの画面サイズはEOS Kiss Fは2.5型、EOS Kiss X2は3.0型。ファインダー倍率、連写性能、AF測距点の数にも差異があり、EOS Kiss Fにはディスプレイオフセンサーがない。外観ではEOS Kiss Fのほうが各ボタンがひと回り大きく、表記も大きい。細部を見比べると相違点は多く、シボ革風のラバーが貼られてないなどグリップの触感も異なっている。
こうした仕様の違いが1万数千円の価格差に相当するかどうかの判断は人それぞれだが、機能的にはEOS Kiss Fでじゅうぶん、と思える人も多いはずだ。そのぶん交換レンズに少しでも多くの予算をまわすというのもひとつの考え方だろう。価格的には天体写真入門機としても有力な選択肢となる。仕様の詳細や一覧については、キヤノンのウェブサイトを参照のこと。