板垣さん、アンドロメダ座に激変星を発見
【2008年9月5日 CBET 1491】
山形県山形市の板垣公一さんが、アンドロメダ座に12.7等の新天体を発見した。この天体は「や座WZ型星」である可能性が高まっている。「や座WZ型星」は、新星とは異なり、爆発的な核燃焼を伴わない矮新星の一種で、数十年という長い周期で増光するめずらしい天体である。
板垣公一さんは、2008年9月1.6日(世界時、以下同)に口径21cmの反射望遠鏡を使って撮影した画像に、アンドロメダ座の新天体を発見した。その後口径60cm反射望遠鏡を使って撮影した画像で明るさ12.7等の同天体を確認し、発見の報告をした。この発見は、九州大学の山岡均さんを通じて国際天文学連合に報告された。
発見前の1月26.532日に撮影された画像では、同じ位置に17.5等より明るい天体は写っていないが、GSC 2.3カタログでは、赤経02時00分25.44秒、赤緯+44度10分19.1秒の位置に(R等級20.4等、B等級21.2等の)ひじょうに暗い天体が記録されていた。
報告された天体の位置は以下のとおり。
赤経 02時00分25.40秒 赤緯 +44度10分18.7秒 (2000年分点) 新天体周辺の星図
その後の観測データからこの新天体は「や座WZ型の矮新星」と見られているが、名前もなければ、や座WZ型星であると断定されたわけでもない。アメリカ変光星観測者協会(AAVSO)では、今後どのような変化を見せるのか、広く観測結果の報告を呼びかけている。
アンドロメダ座の新天体の位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。