古川聡さん、国際宇宙ステーション長期滞在が決定

【2008年12月17日 JAXA

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙飛行士古川聡さんが、国際宇宙ステーション(ISS)の28次/29次長期滞在搭乗員に決定したことを発表した。


ISSの長期滞在搭乗員には、これまでに日本人宇宙飛行士として、若田光一さんと野口聡一さんが選ばれている。その2人に続き、古川聡さんのISS長期滞在が決まった。

古川聡さんは、28次/29次長期滞在搭乗員として、2011年春ごろにISSへ向かう。6か月間の滞在中に果たす主な任務は、「きぼう」を含むISSの各施設のシステム運用、ロボットアームの操作、科学実験などである。

搭乗決定にあたっての抱負の中で古川さんは、「医師としての専門能力を活かし、宇宙での科学実験、特に生命科学実験の促進に寄与したいです」と意気込みを語っている。

なお、古川さんは現在、第22次/23次長期滞在搭乗員として来年ISSに向かう野口聡一さんのバックアップ搭乗員として、米国、ロシア、日本で訓練を行っている。

《古川聡さんの搭乗決定にあたっての抱負》

これまで激励、支援してくださった多くの皆様に心から感謝致します。

2008年は、土井宇宙飛行士、星出宇宙飛行士の大活躍で、「きぼう」日本実験棟の船内保管室、船内実験室が国際宇宙ステーション(ISS)に組み付けられ、運用が開始されました。筑波の地上局からは日本人管制官チームが、「きぼう」日本実験棟を24時間体制で見守っています。そして、2009年2月から若田宇宙飛行士、同12月からは野口宇宙飛行士がISSに長期滞在します。さらに、2010年2月頃には山崎宇宙飛行士がISSに飛行予定です。その後も、日本人宇宙飛行士のISS長期滞在が続いていきます。我々日本人チームの活動を通して、将来の日本の有人宇宙活動の発展に貢献できるよう、皆で力を合わせて努力していきたいと考えています。

自分としては、医師としての専門能力を活かし、宇宙での科学実験、特に生命科学実験の促進に寄与したいです。そして、ISS第28次/第29次長期滞在ミッションを成功させるため、全力で訓練に取り組んでいきたいと思います。

■ 古川聡宇宙飛行士の略歴

(古川聡宇宙飛行士の画像)

古川聡宇宙飛行士(提供:JAXA)

1964年生まれ。1999年2月に星出彰彦さん、角野(現 山崎)直子さんとともに宇宙飛行士候補者として選ばれた。2001年1月に宇宙飛行士として認定を受け、その後、ISS搭乗宇宙飛行士の訓練に参加。2004年5月には、ソユーズ-TMA 宇宙船フライトエンジニア資格を取得。2006年2月、搭乗運用技術者として認定された。2008年5月にISS長期滞在員に決定した野口聡一さんのバックアップ要員に選ばれた。