若田光一さんが国際宇宙ステーション長期滞在搭乗員に

【2007年2月13日 JAXA プレスリリースNASA News Releases

NASAは12日(米東部標準時間)、2007年秋から2009年春の間に3回行われる、国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在の搭乗宇宙飛行士を発表した。その一員として、日本人宇宙飛行士として初めて、JAXAの若田光一さんが選ばれ、野口聡一さんが補欠要員に決定した。


ISSには2000年以降宇宙飛行士が常駐しているが、原則として2〜4人の人員が数か月から半年ほどで交代する形がとられていて、現在は第14次長期滞在期間である。今回NASAが発表したのは、第16次から18次までの長期滞在搭乗員だ。

日本人宇宙飛行士の若田光一さんは、第18次長期滞在搭乗員の一人として選ばれた。2008年夏打ち上げ(予定、以下同)のスペースシャトル(STS-126)に搭乗し、NASAのE・マイケル・フィンク(E. Michael Fincke)氏、ロシア連邦宇宙局(FSA)のサリザン・シャリポフ(Salizhan S. Sharipov)氏とともに3か月間の長期滞在に臨む。その後、2008年冬打ち上げのスペースシャトル(STS-127)に搭乗するもう一人の第18次長期滞在搭乗員でNASAのグレゴリー・E・シャミトフ(Gregory E. Chamitoff)氏と交代し、同機で地球へ帰還する予定となっている。

各宇宙飛行士のバックアップ(補欠)搭乗員も発表され、若田さんのバックアップとして野口聡一さんが選ばれた。

若田さんの主な任務は日本の実験棟「きぼう」の組立てと運用である。「きぼう」は3回に分けてISSへ届けられる。2007年12月に土井隆雄さんも搭乗するスペースシャトルが倉庫の役割を果たす「船内保管室」を届けたあと、2008年初頭に「きぼう」の中心となる「船内実験室」および「ロボットアーム」が打ち上げられ、若田さんを乗せて帰るSTS-127に「船外実験プラットフォーム」「船外パレット」が搭載される。若田さんは長期滞在中に船内実験室で実験と点検を行うほか、船外実験プラットフォームの組み立て準備にも携わる。

若田さんは1963年生まれ。1996年1月にスペースシャトル・エンデバー号(STS-72)に搭乗し、ロボットアームによる人工衛星回収などを行った。2000年10月にはスペースシャトル・ディスカバリー号(STS-92)に搭乗し、再びロボットアームを操作してISSへの部品取り付けや船外活動支援を行った。この際、宇宙飛行士常駐開始直前のISSに日本人として初めて入室している。

野口さんは1965年生まれ。2005年7月にスペースシャトル・ディスカバリー号(STS-114)に搭乗し、3回の船外活動を行った。ISSの組み立てを行う一方で、外部燃料タンク断熱材の落下によるシャトル翼への被害の確認と、補修技術の検証が行われた。これは2003年にスペースシャトル・コロンビア号が空中爆発事故を起こした原因であり、STS-114は事故後最初の重要な飛行だった。

若田さん、野口さんはともに経験豊富で、日本人初の長期宇宙滞在と「きぼう」の組み立てという重要な任務で存分に活躍することが期待されている。今後、ISSにおける機器の運用や宇宙船に搭乗するための訓練が実施される予定だ。