NASA、ISSへ「きぼう」を届ける宇宙飛行士を発表 土井さんら

【2007年1月30日 JAXA プレスリリースNASA News Releases

NASAは29日、国際宇宙ステーション(ISS)へ「きぼう」日本実験棟の一部などを届ける、スペースシャトル・エンデバー号(STS-123/ISS組み立てフライト 1J/A)に搭乗する宇宙飛行士を発表した。打ち上げは2007年12月で、滞在時間は約2週間の予定。


ISSに取り付けられた「きぼう」の想像図

「きぼう」日本実験棟の完成想像図。上部に取り付けられた短い円筒形のモジュールが、今回届けられる「船内保管室」(提供:JAXA)

このミッションには、すでに日本人宇宙飛行士の土井隆雄さんがミッション・スペシャリスト(MS)として搭乗することが決定していた。土井さん以外の搭乗員は、ドミニク・L・ゴーリ(Dominic L. Gorie:船長)、グレゴリー・H・ジョンソン(Gregory H. Johnson:パイロット)、リチャード・M・リネハン(Richard M. Linnehan:MS)、ロバート・L・ベンケン(Robert L. Behnken:MS)、マイケル・J・フォアマン(Michael J. Foreman:MS)の各氏。さらに、ISS長期滞在を開始する宇宙飛行士1名が出発時に、滞在を終えた宇宙飛行士1名が帰還時に搭乗する予定だ。また、地上からミッションを支援する「クルーサポートアストロノート」として山崎直子さんも選ばれている。

組み立て開始から9年、ついに「きぼう」がISSへ届けられる。輸送と取付は3回の飛行に分けて行われ、最初となる今回のミッションでは倉庫の役割を果たす「船内保管室」が取り付けられる。平成19年度中に行われる2回目の打ち上げでは「船内実験室」と「ロボットアーム」、平成20年度中の3回目の打ち上げで「船外実験プラットフォーム」「船外パレット」が届けられる予定だ。

「きぼう」のほかに、カナダの特殊目的ロボットアームもISSへ届けられる。設置のために4回の船外活動が予定されている。

1954年生まれの土井隆雄さんは、宇宙工学の博士号を持ち長年JAXA(旧NASDA)の宇宙飛行士として訓練や支援任務などに取り組んできた。1997年11月に、スペースシャトル・コロンビア号(STS-87)に搭乗してISS組み立てにかかわる検証試験を行ったが、その際予定外の人工衛星回収のために日本人宇宙飛行士初の船外活動も行っている。一方、熱心な天文ファンとしても知られ、2002年に超新星を発見している。2004年には天文物理学の博士号も取得した。

今回の決定を受けて、土井さんのコメントが以下のとおり発表された。

「きぼう」日本実験棟 第1回目の組立ミッションに参加する搭乗員が全員決定しました。いよいよフライト訓練が始まると思うと、身が引き締まる思いがします。日本の宇宙ステーション計画がその全貌を現わす時が来ました。コマンダーのドミニク・ゴーリ氏は、私が1995年にNASAの宇宙飛行士訓練に参加した時の同級生で、沈着冷静で人間味あふれる人物です。すばらしいコマンダーに恵まれたことを感謝しています。他の搭乗員もすべて、いっしょに仕事をしてきた気心が知れた仲間です。これからの1年間、このすばらしい仲間とともに全力でミッションの成功をめざしてがんばるつもりです。「きぼう」日本実験棟が開く日本の本格的な宇宙時代の到来を期待してください。