千葉県の野口さん、超新星を発見
【2009年3月12日 CBET 1718 / VSOLJニュース(211)】
千葉県香取市の野口敏秀さんが、りょうけん座の渦巻銀河NGC 5301に超新星2009atを発見された。野口さんは約10年にわたって超新星捜索に取り組んでおり、今回が初めての発見である。
これまで野口さんは、ほかの日本人アマチュア天文家が発見したものを中心に、超新星のCCD画像を数多くアストロアーツギャラリーに投稿されている。長年にわたり口径23.5cmシュミットカセグレン望遠鏡を用いた超新星捜索に取り組まれており、今回とらえた超新星2009atで、ついに第一発見者の栄誉を手にされた。
超新星は3月11.633日(世界時、以下同様)に野口さんが撮影したCCD画像から発見され、光度は16.5等。りょうけん座の方向にあるNGC 5301の中心から東に21秒角、南に15秒角離れていて、位置は以下のとおり。
赤経 13時46分26.68秒 赤緯 +46度06分09.1 秒(2000年分点) NGC 5301の周辺星図と、DSS画像に表示した超新星2009at
超新星発見を受けた確認観測で、埼玉県上尾市の門田健一さんが11.760日に撮影した画像では16.7等、滋賀県守山市の井狩康一さんが11.773日に撮影した画像では15.9等の明るさで写っていた。なお、野口さんが2005年1月10日に同天域を撮影した画像(限界等級18.5等)には何も写っていなかった。
また、山形県山形市の板垣公一さんが前日の10.621日に撮影した画像にも、この超新星が16.5等の明るさで写っていることが判明した。
VSOLJニュースより
千葉県香取市にお住まいの野口敏秀(のぐちとしひで)さんが、超新星を発見されました。野口さんは、超新星捜索を始められてから10年あまり、念願の初発見です。
野口さんは、3月11.633日(世界時、以下同様)に23cmシュミットカセグレン望遠鏡で撮影した画像から、16.5等の新天体を見つけました。新天体の位置は以下のとおりで、母銀河であるりょうけん座の渦巻銀河NGC 5301の中心核から東に21秒角、南に15秒角ほどのところです。
赤経 13時46分26.68秒 赤緯 +46度06分09.1 秒(2000年分点)
この新天体は、11.760日に埼玉県の門田健一(かどたけんいち)さん、11.773日に滋賀県の井狩康一(いかりやすかず)さんによって確認観測が行われ、超新星2009atと命名されました。また、野口さんが発見する前日(10.621日)に、山形県の板垣公一(いたがきこういち)さんが撮影した画像でも、16.5等で写っていたことが報告されています。
NGC 5301は、かなり近距離の銀河で、典型的なIa型超新星であれば13等級前後まで明るくなると期待されます。今後の分光観測によるタイプ判別や光度変化のモニターが楽しみです。
超新星2009atの位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。
また、新しいデータや番組を入手できる「コンテンツ・ライブラリ」では、簡単にダウンロードして星図に一覧表示できる「日本人が発見した超新星」を公開しています。あわせてお楽しみください。