板垣さん、梅雨の晴れ間にさらに超新星発見
【2009年6月16日 VSOLJニュース(216)】
山形県の板垣公一さんによる超新星発見が相次いでいる。今月1日、8日(世界時)に続き、15日にも銀河NGC 5525に超新星2009gfを発見された。板垣さんの超新星発見は今年5個目、通算では49個目。
VSOLJニュースより
北海道をのぞく全国が梅雨入りした模様と報じられましたが、本州ではそれほど雨も続かず、梅雨の晴れ間となっています。そんな中、先々週、先週に引き続いて、山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが超新星を発見しました。いずれも月曜夜から火曜未明にかけての発見で、このところの板垣さんにとってラッキーな曜日なのかもしれません。
板垣さんは、60cm望遠鏡で6月15.607日(世界時、以下同様)に撮影した画像から、うしかい座のレンズ状銀河NGC 5525に16.1等級の新天体を見つけました。以前に撮影した画像を調べたところ、9.624日の画像には17.7等で写っていましたが、1.591日以前の画像には写っていませんでした。超新星2009gfと命名された新天体の位置は以下のとおりで、NGC 5525の中心から西に31秒角、南に9秒角にあたります。
赤経: 23時28分26.78秒 赤緯:+22度24分50.4 秒 (2000年分点) NGC 5525の周辺星図と、DSS画像に表示した超新星
母銀河がレンズ状銀河で、最近星生成が起きていないと推定されるため、今回の超新星は、寿命の短い大質量星起源である重力崩壊型ではなく、誕生から爆発まで時間がかかる核爆発型であろうと思われますが、今後の分光観測によるスペクトル型の判定が望まれます。
超新星2009gfの位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。
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