世界天文年をしめくくる「ふたご座流星群」に注目

【2009年12月9日 国立天文台 アストロ・トピックス(520)

三大流星群のひとつ、ふたご座流星群が12月14日に極大を迎える。国立天文台では、11日夜から14日夜(15日明け方まで)にかけて「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーンを実施する。月明かりのない好条件のもと、世界天文年の締めくくりとして流れ星を観察してみてはいかがだろうか。


アストロ・トピックスより

毎年12月14日前後は「ふたご座流星群」が活発に活動する時期です。今年は、月明かりの影響もなく、たいへんよい条件のもとで多くの流星(流れ星)を観察できそうです。

ふたご座流星群は、1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群とともに「三大流星群」の一つです。この3つの流星群の中でも、流星がもっとも安定してたくさん流れるのが、このふたご座流星群です。

今年のふたご座流星群は、流星が活発に流れる極大が12月14日昼間だと推測されます。これは日本で観察できない時間帯ですが、ふたご座流星群は極大前後にも多くの流星が流れるため、13日夜から14日明け方と、14日夜から15日明け方の2夜にわたって、流星が活発に流れる様子を観察できるでしょう。

一夜のうちで流星がもっとも多く見られるのは、深夜0時から3時にかけてです。極大前後の2夜で晴天に恵まれた場合、この時間帯に見られる流星は、4等星まで見えるような平均的な空では1時間に15から20個程度となるでしょう。2等星までしか見えないような市街地でも、1時間に5個程度を、また6等星まで見えるようなたいへん条件のよい暗い空では、1時間に50個以上の流星を見るチャンスがあります。

ふたご座流星群は、夜の早い時間帯からも流星が見える流星群です。20時や21時でも、深夜の3分の1から半分程度の流星を見ることができますので、深夜の観察が難しいという人にもお勧めです。

また、極大の日時から離れるほど流星の数は減ってしまいますが、前後数日間は流星の出現が期待できます。

このような状況から、国立天文台ではできるだけ多くの方にふたご座流星群の流星を眺めてもらおうと、流星群の極大日である12月14日前後の、11日夜から14日夜(15日明け方まで)に「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーンを実施します。この期間に夜空を観察し、観察時間と、その間に何個の流星を見ることができたか等を報告ページから報告してください。携帯電話からも参加可能ですから、これまで流星を眺めたことのない方も、ぜひお気軽にご参加ください。なお、たいへん寒い時期ですので、体調を崩さないように暖かい服装をするなど、観察する際にはじゅうぶんに注意してください。

今年2009年は世界天文年ということもあり、広く皆さんに夜空を見上げてもらおうと、国立天文台では三大流星群やオリオン座流星群等のキャンペーンを実施してきました。その世界天文年の締めくくりとなる12月に活動する、このふたご座流星群をぜひ観察してみませんか。