後藤さん、ふたご座の銀河に3月に超新星を発見
【2010年8月6日 国立天文台 メールニュース No.5】
広島県の後藤邦昭さんが、今年3月26日(世界時)の観測から、ふたご座の銀河に16.4等の超新星を独立発見した。この超新星は、以前に別の観測者による発見が報じられ「2010bj」と命名されたが、実は後藤さんの発見がそれより早かったことが明らかとなったため、発見から遅れての正式発表となった。
広島県三次市の後藤邦昭(ごとうくにあき)さんが、3月26日(世界時)の観測から、ふたご座方向にあるNGC 2357銀河の中に16.4等の超新星を独立発見しました。
この超新星は、3月28日に発行されたCBET(注)No.2230によって、別の観測者による3月27日の発見が報じられ、「2010bj」と命名されていました。一方、後藤さんの発見はこれよりも早く、また国立天文台が受けた通報は、このCBETによる発表よりも早かったため、国立天文台は国際天文学連合電報中央局に後藤さんの発見を独立発見として報告していました。その後、間もなくしてこの発見は独立発見として認められましたが、電報中央局からの発表が遅れていたものです。
発見日時 2010年3月26.494日 = 3月26日11時51分(世界時) 発見位置 赤経 07時17分36秒 赤緯 +23度22.0分(2000年分点) NGC 2357周辺の星図とDSS画像に表示した超新星
後藤さんによる超新星の発見は、今回が初めてのことです。後藤さんの今後のさらなる活躍を期待いたします。
注:国際天文学連合電報中央局が発行する電子速報
超新星2010bjの位置
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