板垣さん、おとめ座の銀河に通算58個目の超新星を発見
【2010年5月12日 VSOLJニュース(242)】
新天体捜索者の板垣公一さんが、おとめ座の方向にある銀河NGC 4877に超新星2010cpを発見した。板垣さんの超新星発見は今年2個目、通算発見数は58個となった。
VSOLJニュースより
春の空はかすみや黄砂で朧になりやすく、天体観測は少し困難なこともある時期ですが、そんななかで日本人アマチュア天文家によって超新星が発見されました。発見したのは、山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さん、これまで多種多様の新天体を発見してきた、日本を代表するベテラン天体捜索者です。
板垣さんは、5月9.581日(世界時、以下同様)に60cm望遠鏡で撮影した画像に、17.5等級の新しい光点を見いだしました。その位置は以下のとおりで、おとめ座の渦巻銀河NGC 4877の中心核から西に8秒角、南に19秒角にあたります。
赤経 13時00分25.79秒 赤緯 -15度17分19.8 秒 (2000年分点) 超新星周辺の星図とDSS画像に表示した超新星
この天体は、宮城県大崎市の遊佐徹(ゆさとおる)さんによって、アメリカおよびオーストラリアの遠隔操作の望遠鏡で確認され、公表されました。11日現在まで、天体の明るさは発見時からそれほど変化していません。
渦巻銀河の円盤部に出現したため、大質量星の末期である重力崩壊型超新星の可能性が考えられます。発見時の明るさも、この推定と合致します。今後、分光観測によるタイプの判別や、光度変化の追跡が期待されます。
超新星2010cpの位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。
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