板垣さん、先月に続いて超新星を発見、今年10個目
【2009年12月7日 VSOLJニュース(228)】
山形県の板垣公一さんが、しし座の渦巻銀河NGC 3389に超新星2009mdを発見された。板垣さんは先月も超新星を発見されたばかりで、今回の発見は今年10個目、通算54個目となった。
VSOLJニュースより
星の一生の最期を飾る大爆発である超新星は、遠方の銀河を含めると毎年数百個が発見されています。しかし、ひとつの超新星を詳細に観測して、新たな知見を得られるような、近くて明るい超新星は、それほど多くはありません。年間数個もあるかどうか、といったところでしょうか。そんな近傍の超新星が、先月末(VSOLJニュース 226)に引き続いて日本人によって発見されました。発見したのは、山形市のベテラン天体捜索者、板垣公一(いたがきこういち)さんです。
板垣さんは、12月4.81日(世界時)に撮影した画像から、16.5等級の新天体を見つけました。新天体の位置は、しし座の渦巻銀河NGC 3389の中心核から、24秒角西、3秒角北にあたります。発見画像は板垣さんのウェブページ「Supernova」内でも見ることができます。
赤経 10時48分26.28秒 赤緯 +12度32分02.8 秒 (2000年分点) NGC 3389の周辺星図と、DSS画像に表示した超新星
板垣さんが11月7.72日に撮影した画像では、同じ位置には18.0等級より明るい天体はありませんでした。新天体は、宮城県大崎市の遊佐徹(ゆさとおる)さん、埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さんによって確認され、超新星2009mdの符号が付けられています。
この銀河には42年前に、Ia型超新星1967Cが出現し、13等級まで明るくなりました。今回の超新星2009mdがどのような変化を見せるか、スペクトルによるタイプ判別を含め、これから楽しみが多い天体です。
超新星2009mdの位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。
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