2012年暦要項発表 金環日食など珍しい現象
【2011年2月1日 国立天文台 メールニュース No.29】
国立天文台から、来年の「平成24(2012)年暦要項」が発表された。5月21日に金環日食、6月6日に7年ぶりとなる金星の日面通過など貴重な天文現象が起こるほか、33年ぶりに秋分の日が9月23日以外の日になる。
国立天文台 メールニュースより
国立天文台は、毎年2月の最初の官報で翌年の暦要項(れきようこう)を発表しています。暦要項には、国立天文台で推算した翌年の暦(国民の祝日、日曜表、二十四節気および雑節、朔弦望、東京の日出入、日食・月食など)を掲載しています。今年も2月1日に「平成24(2012)年暦要項」を発表しました。以下は、主な内容です。
平成24(2012)年は閏年です。国民の祝日は次のとおりです。
元日 | 1月 1日 |
---|---|
成人の日 | 1月 9日 |
建国記念の日 | 2月11日 |
春分の日 | 3月20日 |
昭和の日 | 4月29日 |
憲法記念日 | 5月 3日 |
みどりの日 | 5月 4日 |
こどもの日 | 5月 5日 |
海の日 | 7月16日 |
敬老の日 | 9月17日 |
秋分の日 | 9月22日 |
体育の日 | 10月 8日 |
文化の日 | 11月 3日 |
勤労感謝の日 | 11月23日 |
天皇誕生日 | 12月23日 |
秋分の日が9月23日以外の日になるのは、1979年9月24日以来、33年ぶりのことです。
2012年には、日食が2回、月食が1回、金星の日面経過(太陽面通過)が1回あります。
5月21日には金環日食があります。全国で部分日食を見ることができるほか、九州地方南部、四国地方南部、近畿地方南部、中部地方南部、関東地方など広範囲で金環日食を見ることができます。国内での金環日食は、1987年9月23日に沖縄で見られて以来25年ぶりです。また、次回は、北海道で18年後の2030年6月1日に見られます。
6月4日は部分月食で、全国で見ることができますが、西日本と北海道北西部では月食が始まってから月の出となります(月出帯食)。
6月6日は金星の日面経過があり、全国で見ることができます。太陽の前面を金星が黒い点となって動いていく様子が観察できます。金星の日面経過はたいへんまれな現象で、8年、121.5年、8年、105.5年という周期で繰り返し起こります。金星の日面経過は、前回は2004年6月8日にありましたが、次回は2117年12月11日になります。
11月14日にはオーストラリア北部・南太平洋で皆既日食が起こりますが、日本では見ることができません。
このほかに、8月14日の未明には石垣島などを除くほぼ全国で金星食(月によって金星が隠される現象)が見られます。
国立天文台では、国際的に採用されている基準暦に基づいて、太陽・月・惑星の視位置をはじめ諸暦象事項を推算し、「暦書」として「暦象年表」を発行しています。ここから主要な項目を抜粋したものが暦要項です。
昭和29(1954)年6月1日の官報に翌昭和30(1955)年の暦要項を掲載したのが最初で、昭和39(1964)年の暦要項からは現在のように前年2月の最初の官報に掲載するようになりました。
暦要項、暦象年表の内容は、下記〈参照〉の「国立天文台暦計算」ウェブサイトでご覧いただけます。