1000万年で星の数2倍 小さくても大量生産の銀河

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【2011年11月17日 NASA

90億年前の宇宙に、たったの1000万年で倍増するペースで星を生み出している矮小銀河が発見された。このころの宇宙では星が多く生み出されていたにしても、小さな銀河でどうやってここまでの大量生産が可能となったのか、新たな謎となっている。


矮小銀河とその分布

様々な銀河が写っている画像と、18個の矮小銀河。大きい画像内の数字が下の矮小銀河の数字に対応している。クリックで拡大(提供:NASA, ESA, A. van der Wel (Max Planck Institute for Astronomy, Heidelberg, Germany), H. Ferguson and A. Koekemoer (STScI.), and the CANDELS team)

ハッブル宇宙望遠鏡が、90億光年離れた69個の矮小銀河を近赤外線の波長で発見した。これらの銀河は天の川銀河に比べて100分の1程度の質量しかないが、わずか1000万年で星の数が倍増するほどの勢いで星形成が進んでいる。天の川銀河の、実に1000倍ものペースだ。

この発見は、「CANDELS」と呼ばれる観測プログラムチームによるものである。CANDELSでは、こうした初期宇宙の矮小銀河の初となる全数調査を3年間にわたり行っていた。

これらの銀河では、若い高温星に照らされたガス中の酸素が明るいネオンサインのように光っていた。この光が、矮小銀河での星形成の激しさを物語っている。

天の川銀河の周りにある矮小銀河では、星形成が比較的ゆるやかであることがわかっている。一方、CANDELSチームが発見した90億年前の初期宇宙に存在する矮小銀河は、星形成の速度が速い。コンピュータでシミュレーションしてみると、小さい銀河での星形成は断続的にしか起こらないように思われるのに、観測事実はそれよりずっと激しいのである。

この謎を解くには、もっと遠くの、もっと暗い銀河を観測し、その光を調べる必要がある。2010年代終わりに打ち上げられる予定となっているジェームズ・ウェッブ望遠鏡に期待が集まりそうだ。