双子の月探査衛星「グレイル」から月の裏側の映像
【2012年2月6日 NASA】
昨年末と今年初めに軌道投入に成功した双子の月探査衛星「グレイル」から、月の裏側の映像が届けられた。
「グレイル」は月の重力場を精密に調べることを目的としたミッションで、「エブ」と「フロー」と名づけられた2機の周回機が月を探査している。
今回送られてきた映像は、2機のうち「エブ」が学校教育プログラム用カメラ「MoonKAM」で、月の北極から南極に向かって撮影したものだ。ビデオ動画(下記〈参照〉リンク)には、直径900kmのオリエンタル盆地や金平糖のような星型の中央丘を持つドリガルスキー・クレーターなどが映っている。
「MoonKAM」は、アメリカの5年生から8年生の生徒が見てみたい月の場所をリクエストし、得られた画像を教育に役立てるという目的で両機に搭載されている。既に2500名以上から申し込みがあり、本格的な科学観測の始まる3月に、リクエスト撮影された画像も届けられる予定となっている。
元宇宙飛行士でこのMoonKAMプロジェクトを主導しているSally Rideさんは「このプロジェクトが多くの生徒に、科学技術のキャリアの可能性について大きな刺激を与えることを期待しています」と語っている。