小惑星2011 AG5、追跡観測で衝突の可能性が消滅
【2012年12月25日 NASA】
2040年に地球に衝突する可能性があると言われていた小惑星が、ハワイでの追跡観測により安全な軌道を通過することが確認された。
米アリゾナ州のレモン山天文台で発見された小惑星2011 AG5は、当初その予測軌道に幅があったため、地球に衝突する可能性が500分の1残されており、さらに追跡観測を行って軌道を正確に求める必要があった。この小惑星は直径140mで、もし衝突した場合は都市1つを壊滅させる被害の数千倍もの影響を受けると推測される。
今年10月にハワイ大学のチームが口径2.2mの望遠鏡と口径8mのジェミニ北望遠鏡を用いて観測を行い、そのデータをNASA地球近傍天体追跡局が解析した。その結果、軌道の誤差が小さくなり、もっとも接近する軌道の場合でも地球から89万km以上の距離のところを通過すること、つまり衝突の危険性は皆無であることがわかった(参考:地球〜月の平均距離は38万km)。
観測からは軌道決定のほか、自転とともに小惑星の光度が変化するので細長い形状と見られることも判明している。