「オシリス・レックス」目標小惑星への衝突ミッション
【2013年4月18日 NASA】
2016年打ち上げ予定のNASAの小惑星探査計画で、目標となる小惑星への衝突ミッションが新たに提案されている。
2016年に打ち上げ予定の小惑星探査計画「オシリス・レックス」で、探査対象の天体「(101955) 1999 RQ36」に衝突機をぶつけるミッションが新たに提案されている。
エジプト神話と、「衝突体による表面と内部の調査」の略語ISISから「イシス」と名付けられたこのミッションは、火星探査機「インサイト」とともに衝突機を打ち上げ、火星を迂回したあとにその衝突機を幅500mほどの小惑星に接近衝突させるというものだ。
順当なら小惑星の表面に約30mのクレーターができる見込みで、先に到着しメインの観測をひととおり完了した「オシリス・レックス」が衝突時の様子や放出物、クレーター内部を調査する。
小惑星の科学調査だけではなく、衝突による小惑星の軌道のわずかな変化を測定することで、小惑星の軌道を変えるための技術開発にもつなげる狙いだ。こうした技術は、今後小惑星の資源開発や地球への衝突危機回避への応用が期待されている。
天体への衝突といえば2005年に小惑星探査機「ディープインパクト」がテンペル彗星(9P/Tempel)の衝突観測を行っているが、これを成功させた衝突誘導技術の担当者がこの計画推進にも関わっている。
2014年には日本の探査機「はやぶさ2」の打ち上げも予定されている。こちらも同様に衝突体を小惑星(1999 JU3)にぶつけ、地表下の観測とサンプル採取が行われる。「はやぶさ2」の小惑星への到着は2018年、サンプルを地球に送り届けるのは2020年の予定だ。